企業幹部への女性登用を義務づけるクオータ制が議論されている。経営者として意見は。
反対です。人事を甘く見ないでくれと言いたい。人事は会社の生死を左右し、世界で戦っていくために極めて重要なこと。適材適所に人を配置するため、全力を尽くすことに“曇りがない”のが肝心だ。クオータ制を取り入れた途端、曇りがあることを認めることになる。
仮に要職ではない役員に女性を登用すれば、同じ取締役でも第二市民的な位置づけで、色眼鏡で見られてしまう。本当に実力があり登用された人と混在させられると、頑張っている女性に失礼だ。女性の視点が国や会社の運営に反映されにくいのはよくないが、数字目標の議論は危ういところがある。
先日、マネジャー合宿で「わが社では女性の逆差別はゼロです」と宣言したが、そう言わなければならないのは悲しい。いちばんいいのは働く女性の裾野が広がり、実力・実績から登用されること。そうなれば組織を強くする。
──では女性活用が進む土台を築くには何が必要か。
利用できる保育施設やベビーシッターを増やすこと。この問題は何としても解決すべきだ。そして重要なのは男性の解放だと思う。育休制度があっても、男性が取得することに対する社会の理解が低いし、実際取りにくい。男性も女性も、いったんキャリアを中断しても、戻ってきたら、また幹部への道が開かれるようにしなければいけない。
──時短を取るとキャリア形成にマイナスになるケースが多いが。
1年休んだり、7割しか仕事をしていないのであれば、そのことに対しては差をつける。それはフェアな範囲だ。が、過去に時短を取った取らないに関係なく、仕事はできる人にやってほしい。時短からフルタイムに戻り、その人に実力があるなら、合理的に処遇すればいい。
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