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怒るEU、無策の日本 プライバシー軽視で大モメ

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2011年にフェイスブック本社を訪れたオバマ大統領。その後も、ホワイトハウスでの晩餐会にザッカーバーグ氏を招待するなど、親密な関係が続く(Bloomberg via Getty Images)

フェイスブックやグーグルなどのネット企業にとって、プライバシーは“飯のタネ”だ。利用者情報を分析し、個人の趣味嗜好により近い広告を打つことができれば収益が上がる。利用者情報そのものも、マーケティングツールとして企業に販売可能だ。そのため、プライバシーに関する法規制の強化は、ネット企業にとって最大の脅威となる。

シリコンバレーは政界とのパイプ作りに非常に熱心だ。フェイスブックでも財務長官の首席補佐官を務めたシェリル・サンドバーグをナンバー2の座に据え、取締役などにもホワイトハウス出身者をそろえる。

一方、EUは、ネット企業による個人情報収集に警戒感を強めている。今年1月、個人データの保護と規制の改正案「EUデータ保護規則」を発表。罰金制度の導入や、正当な理由がなくなった場合には自分のデータの削除が可能となる「忘れられる権利」の追加、問題発生時の通報義務などが盛り込まれ、規制強化を全面に打ち出した。3月には、利用規約を変更したグーグルに対しても、EU法違反として注意喚起するなど、激しく応戦。米国系のネット企業からEU域内の消費者を守る「プライバシー戦争」の様相を呈している。

EUのこうした強硬姿勢について、新潟大学の鈴木正朝教授(情報法)は、「ナチス時代に、教会の情報漏洩がもとで迫害が起きたという負の歴史が色濃く残っている。さらに、域内ITシステムにおける外資のシェアが高く、情報漏洩に対する危機感が非常に強い」と分析する。

他方、シリコンバレーの本拠地である米国は、これまでIT業界の育成を重視し、プライバシーに関する法規制をしてこなかった。今年2月、オバマ政権が「消費者プライバシー権利章典」の草案をようやく公開したが、法整備はこれからだ。2月には、ネットに対する著作権保護強化が盛り込まれた「海賊行為防止法(SOPA)」「知的財産保護法(PIPA)」の2法案の議決が、シリコンバレー勢の猛反対で延期された。

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