「中学受験の弊害」親が想像もしない数年後の苦難 子どもと親子関係に一生涯の「傷」を残す可能性

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中学受験の取り組み方によっては、親子関係に亀裂が生じることも……(写真:Kazpon/PIXTA)

中学受験の天王山と言われる夏休みが終わりましたが、取り組み方によっては子どもの人生への大きな弊害になりうることを、どれだけの親が認識しているでしょうか。中学受験について私が聞いた気になる話をいくつか紹介します。

Aさんの場合

まず、Aさんという女性から聞いた話です。彼女の息子は現在30代で、アルバイトで生計を立てながら一人住まいをしているそうです。彼は小学4年生から私立のB学園を目指して中学受験の準備を始めました。塾に通わせたり家庭教師をつけたりしたのに、受験まで半年という時期になっても志望校の合格圏内に入りませんでした。

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Aさんも息子も志望校をかえる必要性を感じていたのですが、父親が反対していました。Aさんが言うには、父親自身がかつてその学校に入りたかったので、思い入れが強かったらしいとのことです。

成績が上がらないことでAさん夫妻は危機感が募るばかりでしたが、肝心の息子には危機感も勉強の意欲もまったくなく、毎日のように叱りつけて勉強させていました。そんなある夜、とうとう父親が子どもの態度に怒って殴ってしまったそうです。でも、それで息子がやる気スイッチが入るということはまったくなかったそうです。

それどころか、父親への恐怖心を持ってしまったようで、食事も一緒に取らなくなったし、リビングやダイニングで過ごすことも減り、自室に閉じこもるようになってしまいました。当然勉強にも身が入らず、模擬試験の度に順位が落ちていきました。そして、いくつか受けた学校も全敗して、地元の中学に入学しました。

その後も父親との関係が改善することはなく、特に反抗期は大変だったとのことです。大人になった今も、関係は冷え切ったままでほとんど実家には寄りつきません。両親としては、小学生の頃に戻って親子関係を作り直したいという気持ちでいっぱいだそうです。

次は、東京都出身で今は某県にある大学の4年生に在学中のCさんの話です。彼は小学3年生から4年間、中学受験の塾に通わされました。塾と家で毎日長時間勉強し、超有名進学校Dに合格しました。本人が言うには、ギリギリの滑り込み合格だったそうです。

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