対中強硬策、「南シナ海日米共同監視」浮上

"ジャパン・ハンドラー"が突き動かす安倍政権

南シナ海に展開する中国の 沿岸警備艇(2014年7月撮影、ロイター/アフロ) 。日米がこの海域を共同監視するようになる可能性が高く、その場合、中国からの猛反発が予想される

国論が二分するなか、集団的自衛権の行使容認を決めた安倍政権。拙速な閣議決定や国会運営への国民の批判が高まり、新聞やテレビの世論調査では内閣支持率が軒並み40%台に落ち込んだ。

しかし、それに反比例するかのごとく、日本の同盟国、米国での安倍首相の株はぐっと上がった。米政府は、日本の決定が日米の同盟強化につながるとして、歓迎の意向を示した。米国の本音としては、国防予算が削減されて自らの余力がなくなってきているなか、中東やウクライナ等で新たな問題が次々と勃発、日本にアジア太平洋地域を中心に安保負担をもっと担わせ、自らは負担減を図りたい意向がある。米国にしてみれば、安倍首相はそうした米国の期待に応えてくれた。

それでは、米国は日本の集団的自衛権の行使容認で、今後、具体的に日本にどのような行動を求めてくるのだろうか。その一つとして、年末までに見直される予定の日米防衛協力指針(ガイドライン)の中で、南シナ海での日米共同監視活動の実施を求めてくることが予想される。それを予兆させるのが、日米の安保外交政策を主導してきたジャパン・ハンドラー(日本を操る人)と呼ばれる米国の国務省や国防省の元役人たちの意向だ。

ジャパン・ハンドラーが安倍首相に「謝意」

日本の集団的自衛権の行使容認を誰よりも喜んでいるのは、米政府よりも、そうしたジャパン・ハンドラーたちだ。7月24日付の読売新聞の記事によると、リチャード・アーミテージ元米国務副長官やジョセフ・ナイ・ハーバード大教授らは、7月15日に首相官邸を訪ね、今回の閣議決定について安倍首相に「謝意を伝えた」という。このことは何を意味するのか。安倍首相は集団的自衛権の行使について「国民の命や暮らしを守る」ことを前面に掲げて訴えてきたが、もともと米国から謝意を伝えられるような施策だったということだ。

こうしたジャパン・ハンドラーたちは、謝意を伝えるばかりではない。自らが目指す施策遂行に向けて行動を起こしてきた。カート・キャンベル前国務次官補(東アジア・太平洋担当)やマイケル・グリーン元国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長は6月2日、集団的自衛権の行使容認に難色を示していた公明党の山口那津男代表と極秘に会談。そして、日米ガイドラインの年内改定に間に合うよう、閣議決定を早めるために圧力をかけた。日本の国内メディアではほとんど批判が起きなかったが、国論を真っ二つにするような国内問題をめぐって、米側がこのように与党幹部に圧力をかけることは、完全に内政干渉だ。

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