富士フイルムを20年にわたって率いてきた「カリスマ」、古森重隆氏が6月に会長兼CEOの職を退く。
中核事業を維持しつつ、同時にイノベーションを起こす、成熟企業の「両利きの経営」のお手本とされる富士フイルムがここに至るまでは紆余曲折があった。
2005年3月期に当時主力の写真フィルム関連事業が赤字に転落し、「本業消失の危機」に陥る。CEOの古森氏は「第二の創業」を掲げて改革の大ナタをふるい、目をつけたのが、写真フィルム製造で培ってきた技術が生かせるヘルスケア領域だった。
ヘルスケア進出で経営が安定
古森氏が就任した2000年当時、売上高の6割、営業利益の3分の2を写真フィルム関連事業が占めていたが、ヘルスケア部門への進出に成功したことで経営が安定した。2兆円規模の売上高や1500億円程度の営業利益規模を大きく変えることなく、事業構造を大きく入れ替えた。
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