破綻の「シルク・ドゥ・ソレイユ」復活への苦難 秋の再開見据えるも危機前に戻るのは数年先か

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シルクのコンサルタントを務めるクリス・ガッティ氏は「私のフェイスブックは悲しみで埋め尽くされた」と言う。ガッティ氏はかつて、空中のバーの上で演じるパフォーマーだった。

非公開企業のシルクはチケット売り上げを開示していないが、裁判所書類によると、15億ドル近くの負債を抱えている。

中国公演のパフォーマー、ヘー・グオウェイ氏は、1月に新型コロナによって公演が中止されてから、自宅でジャグリングの練習に励んだ。

「中国公演が中止と知ったとき、私たちはフラストレーションを抱えた。感染症がどれほど深刻になるかも分からないため、恐怖も感じた」と当時を振り返る。

発足以来最大の危機

シルク・ドゥ・ソレイユは1980年代初め、カナダ・ケベック州の大道芸人が設立したサーカス一座として発足し、世界的な娯楽企業へと躍進を遂げた。新型コロナ危機は、発足以来で最大の脅威だ。

ショーには動物もスターも出てこないが、一部の主要パフォーマーは高収入を得て、共同創業者のギー・ラリベルテ氏はフォーブス誌のカナダ富豪リストに名前がある。

米ネバダ州ラスベガスとフロリダ州オーランドの常設公演は、秋の再開を視野に入れている。だがラマールCEOは、公演数と収入・利益が危機前の水準に戻るのは2023年になると予想している。

「平時に戻る、つまりワクチンか治療薬ができて人々が劇場を安全だと感じられるようになるまでには、1年から1年半を要すると考えている。その時点から数年中に、当社は前の状態に戻れるだろう」

中国公演は先月再開、メキシコでも7月初めに再開しており、回復の兆しは見られる。

中国杭州市にいるヘー・グオウェイ氏は、当地のマスク姿の観客から、コロナ前にも増して熱い気持ちが寄せられているのを実感する。

「再び舞台に立った時、昨年8月の初回公演の時とほとんど同じ気持ちを味わった。この間の努力は無駄ではなかった」

(Allison Lampert Xihao Jiang)

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