Top Interview
事業の特性にあわせて戦い方を変える
三菱電機のグローバル戦略
山西 健一郎 三菱電機 執行役社長 取締役
将来的には海外関係会社で
現地採用人材の社長登用の増加を
伊藤 海外展開におけるマネジメントについてもおうかがいします。私がGEにいた2007年当時、GEのグローバルでの売り上げが5割以上を超えて、グローバルカンパニーとしての研修のために全世界から100人近くが集められました。そのとき私が参加者に、「GEという会社はグローバルカンパニーだと思うか、それとも米国の会社がインターナショナルにオペレーションしていると思うか」という質問を投げたところ、意見が真っ二つに分かれた。米国人は「グローバルカンパニーだ」と言う。ほかの国の人は「いや、米国人が海外で経営をしているんだ」と言う。グローバルマネジメントというものの難しさをあらためて思い知らされましたが、御社ではどのような考えの下、グローバルマネジメントを進められていますか。
山西 現在の三菱電機は、日本からインターナショナルにオペレーションしているのが実情です。現地化も私から見ればまだ不十分です。現地化の指標ではありませんが、連結外を含む三菱電機の海外関係会社約140社のうち、現地採用人材が社長を務めるのは約40社という状況です。将来は、現地採用人材が社長を務める社数も増やすべきではないかと考えています。
日本人のグローバル化ももちろん大切ですが、一方で、欧米人のグローバル化も必要です。というのも、新興国などの海外で勤務することについては、日本・中国・韓国の人のほうがあまり抵抗がなく、欧米人のほうが嫌がる傾向もあるからです。「私はどこへでも行きます」と言うのですが、そのあとに「英国でもドイツでも」とこう続く(笑)。中東などには行かない。欧米を知っているだけではグローバル企業の役員にはなれません。