GMI report No.2
外発的グローバル化のすすめ キャメル・ヤマモト デロイト トーマツ コンサルティング ディレクター

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第2の理由は、自然状態のまだら模様に対して、日系側経営者が統合する力を欠くことだ。加えて、日系・外資系両者の広い層の人々の間においても、言語差もあり、深くて頻繁なコミュニケーションは発生しない。さらに日系の現場主義は、ローカル拠点が日系的・外資的のままである現場の慣性を尊重する。結局、青い企業を買収したときの基本的な作法は、「相手にお任せする」ことになりやすい。

第3の理由は、部分的外資化を駆動する要素の多様性だ。要素の一例としては、最もダイレクトな外資化を招来する外国企業買収のほか、外国人の採用(トップ層が重要だが、海外でも典型的な中途採用に加え、現地著名大学からの新卒採用も中長期的に要注目である)、自前企業における外国人の役割拡大(特に拠点を超えたグローバルな役割の付与)などがある。また、本社中枢機能の海外移転も、本質的な刺激が中核部分を直撃するという意味で、部分的外資化を引き起こす一要素となる。このような多様な要素がランダムな時期に効いて、外資化がバラバラに進むことも、まだら模様の生成につながる。

なお、外資化部分の比率は、海外企業買収の金額規模が拡大傾向にあることや、先述した買収以外の外資化要因、さらに諸企業が成長の軸足を海外に移行中であるという文脈に照らせば、今後も増えるであろう。

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