「何もしない上司」に感謝すべき納得理由 「恵まれた環境」で成功するのは簡単だ

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O.Tさんが、自分に合うことや、やりたいことがわからないと言っている理由は明白で、とことんやってみた経験がないからです。

物事に挑戦してみないことには、物事の本質はつかめません。本質がわからないと、自分に合っているかどうかもわかりません。

O.Tさんは今の状況を最大限生かしきれていないのです。いや、むしろまったく生かしきれていないのです。

今のまま転職しても、同じ問題にぶつかるだけ

大手企業ということは、何かを成し遂げるためのリソースも十分なはずです。そして、聞こうと思えば的確なアドバイスをくれる優秀な人材も周りを見渡せば豊富なはずです。仮に本当に上司がダメだったとしても、アドバイスを求めることができるのはその人だけではありませんよね。

さらにはO.Tさんもおっしゃるとおり、充実した福利厚生もあるのですよね? そんな恵まれた環境、そうそうありませんよ。そういった環境を十分に生かしきれない人が、どうしてそれ以下の環境で活躍できましょうか?

百歩譲って、この会社ではやりたいことができないというのであれば、その会社にあるリソースを活用し尽くして、挑戦し尽くしてから、言いましょう。厳しい言い方ですが、現在のO.Tさんは挑戦せずに、イメージだけで語っている状態です。

そこから実際にアクションを起こさないことには、その会社がO.Tさんにとっていい会社か否かは判断できないはずです。

今のままのスタンスでは、転職してもまた同じ問題にぶつかります。現在の会社でできるかぎりの挑戦をして、それでも本当にダメなときに初めて転職を考えるべきです。

結果を出すためには、自分自身の努力と環境の双方を高めて、自分の実力と環境がうまくかみ合うことが大切です。

だから転職という形で環境だけ変えても無駄なのです。ご自身も変わることで、挑戦への第一歩を踏み出してみましょうよ。

挑戦を通じて見えてくる景色はおそらく現在とは異なる景色でしょう。その景色を見たうえで、転職を含めた次のキャリアの判断をされるのがベストです。

O.Tさんが、現在の恵まれた環境に気づき、まずは挑戦への一歩を踏み出すことを応援しております。

安井 元康 『非学歴エリート』著者

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やすい もとやす / Motoyasu Yasui

MCJ社長兼最高執行責任者(COO)。アニメーションの企画・制作を手掛けるベンチャー企業を経て、MCJにて東証への上場を経験。その後、経営共創基盤にて戦略コンサルタントして9年間活躍し、2016年3月にMCJに復帰。著書に学歴コンプレックスに悩みながらも独自の方法でキャリアを切り開いてきた様子を描いた『非学歴エリート』(飛鳥新社)や、自分ならではの人生を生きる術を描いた『極端のすすめ』(草思社)等がある。

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