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今夜は刺身!と言いたくなる、すごい版画 70年前の魚・版画マニアの、恐るべき執念

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食欲の秋にぴったりの展覧会が東京ステーションギャラリーで開かれている。魚の絵を得意とした日本画家、大野麥風(おおの・ばくふう 1888~1976年)の回顧展だ。フグの形をしたチケットを手に会場を進むと、キラキラ光るサヨリ、唐揚げにしたらおいしそうなカレイなど、生きのいい魚たちに囲まれる。

大野麥風は昭和初期に『大日本魚類画集』の原画を手掛けた。いつの時代にもコレクターやマニアはいたようで、兵庫の西宮書院が発行したこの画集は、魚好き、版画好きの心をつかんだ。限定500部のコレクターズアイテムである。

頒布会方式で販売され、申し込むと毎月1点ずつ木版画が送られてきた。月ごとに額縁の絵を入れ替えて楽しみ、7年がかり、全72点で完結した。会場では72点の木版画すべてを、発行された順に見ることができる。

今にも動き出しそうな魚たち

『フグ』 『大日本魚類画集』より
1940年1月 姫路市立美術館蔵
魚の顔つきに愛嬌があるのも麥風の絵の魅力

彼は日本画家として風景や動物も描いたが、特に魚の絵を数多く残した。標本のような止まった絵ではなく、魚の日常が見えてくるような構図で描いている。

「麥風は魚が泳いでいる姿を、そのまま表現することを重視しました。水族館に通うだけではなく、和歌山まで出掛けて潜水艇に乗り、海に潜って魚を観察しました。どんな場所に棲んでいるのか、生息環境も作品に取り入れています」と、東京ステーションギャラリーの清水広子さんは解説する。

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【作り手たちの、すさまじい執念】

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