「LINE」を支えるチームのコラボ術 | こんな働き方があってもいいじゃないか

「LINE」を支えるチームのコラボ術

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「LINE」で仕事できますか?

遠竹 智寿子
ブランドコンテンツとは
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「あのチームは、どんなツールを使って、どんな風に仕事をしているんだろう?」を探る本コーナー。今回は、サイボウズ式の大槻編集長が、最近気になっている“あの”会社の“あの”チームにお話を伺います!

最近ユーザー数も大幅に増え盛り上がりを見せているのが、無料通話・無料メッセージアプリ「LINE」。大槻さんは、LINEユーザの1人として、“やっぱりチーム内でのやりとりにLINEを使っているのかな”と興味津津の様子です。確かに気になります。

NHN Japan(当時)のマーケティングコミュニケーションチームの矢嶋聡さんと金子智美さんにお話を伺いました。


終始、真剣な表情の矢嶋氏

100名体制で動くLINEチーム

――まずは、LINEチームの構成についてお聞かせいただけますか。

矢嶋企画、開発、デザイン、QA、マーケティング、サポートといったメンバーで構成されています。開発チームは、OSやデバイス毎に分かれていて、LINE本体としては60名程、LINEカメラなど周辺のプロダクトを含めると関係メンバーは100名ほどになります。企画側のメンバーは10名程度です。

――マーケティングはプロダクト(製品)ごとに担当者がいらっしゃるんでしょうか。

矢嶋いえ、先ほど述べたマーケティング担当10人で、LINEをはじめ、「NAVERまとめ」「Kstyle」などWebサービスを全部みています。その中で、PR/ソーシャルメディア、Webマーケティング、広告という形では担当が分かれています。

――え?全部ですか?いろいろな製品を扱うのは大変じゃないですか?

矢嶋たぶん、善し悪しがあるとは思うんです。製品別に担当が分かれると、プロダクトへの理解はあってもマーケティング的なノウハウは溜まっていかない。全体のメッセージ性を考える上でも、ディレクターはプロダクトに専念してもらって、マーケ的な部分は横ぐしでやったほうが効率的だろうと。もちろん、他の会社では専門部署に任せていくほうがいいといった場合もあると思います。

――なるほど。サイボウズのプロダクトは1つ1つが多くの機能を搭載しているので、やはり担当別にならざるを得ないのですが、いろいろですね。


素敵な笑顔の金子さん。インタビュー中、大量にろくろを回して頂いた。

LINEチームの仕事の流れ

――チーム内では、どのようなツールを使っているのでしょうか。

矢嶋メール、LINE、社内Wikiといったところでしょうか。

――やはりLINEを業務に使われているんですね!例えば、キャンペーンなどは、どのような流れで企画していくのでしょう?ツールの使い分けはどのように?

矢嶋“新機能が出るよ“となると、スケジュールや背景、どのようなユーザーにアプローチしたいかなどをプロダクトマネージャーにヒアリングします。その後、PR、ソーシャルメディア、Webマーケティング、広告をどう展開していくかをチーム内でディスカッションして、進めていきます。毎週月曜にマーケ内の各担当リーダーが集まる会議はあるのですが、あとはほとんどメールベースのやりとりです。キャンペーンやWebマーケティングといった全体を最適化する話では、メーリングリストで「こんなのどう?」といった感じで進んでいきます。

金子:Wiki上には基本仕様書やよくある質問などが掲載されています。開発チームなどの権限者によって随時更新されていきますので、常にプロダクトの最新情報をチェックできる仕様になっています。

矢嶋クレーム対応などさらにスピードが求められるものは、LINEを使ってやっています。もともとは、社内用のメッセンジャーもあったのですが、最近はすっかりLINEに移行してしまいました。


矢嶋氏に笑顔が!

スピード感あるコラボレーションの秘訣とは

――会議が少ないというのは意識してのことですか?それとも自然に?

矢嶋自然にそうなっているんだと思います。トップを含む会社全体としての考えとして「稟議を通すため、報告のための会議を頻繁にやることは無駄だ」というのがあって。それなら「今すぐやろう!」と。やるかやらないか分からない企画書作りや定例会まで待つ時間がもったいない。下のレイヤーに行くほど待たされることになるわけですから。企画などは、まずはメールベースで方向性などを頻繁にやりとりして、その中でマネージャーが“あり”か“なし”かの判断をして、その次に進んでいくといったやり方をしています。

――ある種、アジャイルという感じですね。でも、メール中心で情報がうまく伝わらないといった問題は起きないんですか?

矢嶋同じフロアにメンバーがいるわけですから、そこは話したほうが早いとなれば相手の デスクに出向いていくんです。そういった光景は日々あちらこちらで見られます。

金子さんにお願いして「そういった光景」を再現して頂いた。

――他にチームでの仕事で気をつけていることはありますか?

矢嶋情報を共有することです。私たちはプロダクトをサポートする役目なので、会社の状況や目指している方向を見ながら、プロダクトがどこの位置にあるのか、何を目指しているかを考えてやっていかなければならない。今どういった案件が走っていて、リリースの準備があるかも知れないなど、とにかく情報共有を心がけています。また、その場その場で判断していかなければならないことが多いので、ランキングやダウンロード数などの数字は常に意識しています。

――情報共有がうまくできなかったといった失敗談はないですか?

矢嶋特にないです。ただ、今はスピードを重視しているため、全体で共有をしつつも、私のほうで方向性を決めてしまって動いていることが多いので・・・。もう少し、それぞれが自立的に動く体制にしたい。情報を共有して、その中で自分ならどう動くかを考える癖をつけていく。言われたところだけやっているのでは、個人として伸びていかないですから。

ただ、スピードとの兼ね合いでいいクオリティ(質)のものがでてこない場合は、こちらで決めるといった判断もあります。心がけているのは、考え方のプロセスを説明するということ。細かく指示はしないけれど、方針、方向性だけはきちんと伝えて任せるようにしています。

金子:私は会社の中の人として情報を知ることができますが、ユーザーとのコミュニケーションスタッフの立場としては、会社大好きだけになっちゃうと偏ってしまうので、社内ではユーザー寄りの立場として行き交う情報を判断するようにもしています。

――TwitterやFacebookなどの情報はどの程度チェックしているのですか?

金子:ほぼ随時です

矢嶋その姿はまるで金融のトレーダーのようですよ(笑)


サポート用に使われているLINEトーク。LINE事業の責任者である舛田さんが、不具合を発見しトークに書き込んでいる。

LINEで仕事?

――LINEはどのように使われているのですか?

金子:LINEの“トーク“機能で、開発、サポート、企画を含めたグループを作っています。ユーザフロント担当である私が、例えば、Twitterなどでバグについての書き込みを見つけるとすぐにLINEに書き込みをして、答えられる人が答えるといった形で、平日、週末限らず対応しています。

――やはり、すぐに共有できるのがメリットですか?

矢嶋はい。TwitterやFacebookは間違った情報が伝播されやすいので、とにかく火種を見つけたらすぐ消火するということが大事だと考えています。“最初に見つけた人が報告し、最初に答えられる人が答える”、そのしくみがLINEでのやりとりで可能になっています。

――いろいろな情報が行き交って混乱しませんか?

金子:LINE上では緊急度の高いものをやりとりするので、時間が経って埋もれるということはありません。案件が落ち着いた段階で、担当者がメールで報告するという流れができているので、今までも特に混乱したことはないです。

――オフィス内でもスマホを操作してやり取りを?

金子:オフィス内では主にPC版のLINEを使い、移動時などはスマホ版といったように使い分けしています。

――サポート的なLINEの使い方の他には何かありますか。スタンプを使うことは?

金子:他に雑談用のグループもあって、軽めの話題でコミュニケーションをとっています。「テレビで大きく取り上げられたね~」といった話題の時には、喜んでいる様子のスタンプが飛び交ったり(笑)。先日は、社長の誕生日にちょっとしたサプライズを試みました。LINEは1グループ100人まで登録できるのですが、2グループ作って、チームマネージャー以上の人に声かけをして・・・。最後に主役の社長がLINEに入ったところで、いっせいに各チームからのお祝いメッセージを届けました。

サプライズ用トーク。この日、森川社長のスマホはJ-POPの歌詞のように1日中震えっぱなしだったとか。

――なんだか羨ましいです。メールで言葉にするのはちょっと照れてしまったりして、距離感が出てしまうことがあるけれど、LINEならスタンプもあるので素直に感情を伝えやすいという良さがありそうですね。チームを1つにする上でもいいツールのような気がします。

矢嶋他社さんでも、部署単位で使っているという話も聞いています。メールとLINEをうまく使いわけると面白いかも知れませんね。

――LINEそのものが、LINEチームの業務を支えるプラットフォームになっているんですね!最後に、今後の展開についてお話いただけることがあればお願いします。

金子:今までにない数、幅広い層の方々とのコミュニケーションは、新たなチャレンジであり、難しいこともあると思いますが、楽しみにしています。がんばります!

矢嶋年内目標の一億人ユーザに向けて、順調に利用数は伸びてはいますが、まだまだこれからというところ。現在は首都圏の方々が主となっているので、今後は地方や高い年代の方に向けてスマホでのインフラを狙っていきたい。現在準備している仕掛けもあるので楽しみにしていてください。

(撮影:kumadaiworks.jp さん)