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「偽装死」で別の人生を生きることはできるか 偽装死を考えると「生きる」の意味が鮮明化

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  • 仲野 徹 大阪大学大学院名誉教授

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「死んでしまいたい」わけではない。むしろ生き抜くために、偽装してまで人生をやり直す方法を探っていくと…(写真:nito / PIXTA)

死んだことにして、別の人生を歩み始められる?

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あぁもう何もかもイヤになった、生まれ変わってやりなおしたい。誰だってふとそう考えることはあるだろう。残念ながら、生まれ変わるのは生物学的に不可能だし、よしんばできたとしても、それまでの記憶がなくなってしまうのだから意味がない。しかし、死んだことにして、別の人生を歩み始めることならばできるかもしれない。『偽装死で別の人生を生きる』は、そんな可能性を探っていく1冊だ。

著者のエリザベス・グリーンウッドは、大学院を出て小学校の先生になったアメリカ人女性。トランプを大統領に選び出す原動力となったラストベルト出身で、そんな地域から脱出するために高学歴を身につけた。しかし、その代償として、6桁のドルというから、1000万円以上の学資ローンを背負い込んだ。

利息を計算すると、生涯に返さないとならない金額は50万ドル、6000万円近くにもなる。いまの生活から考えると、そんなことは不可能だ。たとえ返せるとしても、借金返済のためだけに一生を送るのはイヤだ。いささか身勝手な理屈だが、グリーンウッドは考えた。死んだことにして、別の人生を歩み出せばいいのではないかと。そして、調査を始めることにした。その結果が、それぞれの章にまとめられている。

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【ネットの威力を逆手に取って…】

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