アウディ「A5」は最新進化で何が変わったか 新型クーペとスポーツバックに乗ってみた

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A5 スポーツバックとA5 クーペ、2つのモデルが搭載する2リッター4気筒エンジンは、185kW(252ps)の最高出力と370Nmの最大トルクを持つ。これに7段Sトロニック変速機とフルタイム4WDのクワトロという組み合わせだ。

ちなみに高性能版のS5は260kW(354ps)の最高出力に、500Nmの最大トルク。数値からいってよりパワフルだ。当然ながら4つの車輪で大パワーを受け止めるクワトロ・システムを備える。

今回、A5 スポーツバックにはもうひとつ気になるニュースがあった。それが前輪駆動版の追加だ。こちらは「Bサイクル」とアウディが名づけた190psの2リッター4気筒エンジンを搭載する。Bサイクルユニットを端的に説明すると、燃焼コントロール技術を燃費改善に役立てる、というシロモノ。負荷(アクセルペダルの踏み込み量)に応じてそれが浅ければ吸気バルブを早めに閉じて燃料消費を低減する。日本へは遅れての導入となる。

日本では8割がスポーツバック!?

空調の吹き出し口など、新世代のデザインを採用したダッシュボードは、先代からのクリーンかつ使いやすいロジカルさを特徴としている点は同じだが、新しさはきちんと盛り込んでいる。ドアの開閉感からシートのかけ心地、さらに各種操作類にいたるまでの感触の良さといい、動きといい、いわゆる品質感の高さは“やはりアウディ”と評価したい。

A5 スポーツバック 2.0 TFSI sportは、たしかにスポーティさが楽しいモデルだった。1600rpmから最大トルクを発生しはじめる2リッターユニットは、走りだしからスムーズだ。車体の重量感はまず感じない。7段オートマチック変速機はパワーを効率よく取り出すのにいい働きをしている。中間加速性も大事にしているのだろう。2000rpmの少し上のあたりをキープするような設定なのが印象的だ。

それゆえ、少しアクセルペダルを深く踏み込むと、サッと加速に移る。瞬発力の良さを感じさせるのだ。とはいえ、いちばん気持ちいいのは、3000rpmの少し上を使っての力強い走りっぷりだ。

ステアリングは軽めで運転のしやすさは万人向け。静粛性の高い室内で質感の高いインテリアに包まれ、軽めのステアリングホイール操作をしているときの快適な気分はこのモデルの真骨頂かもしれない。

さきに触れたようにクーペはデザイン性が高い。リアクオーターピラーを後輪の上に配置したプロポーションはクルマにおける美の定石。この基本が出来ているから見飽きない。いっぽうスポーツバックはやや低めのルーフを持ちながら、4人の大人に十分なスペースを提供している。「日本ではA5シリーズのうち8割がスポーツバック」とアウディジャパンでは教えてくれたが、高い機能性ゆえだろう。

スポーツバックのラインナップは、前輪駆動のA5 スポーツバック 2.0 TFSI(546万円〜)にはじまる。上にはパワフルな(今回の試乗車である)A5 スポーツバック 2.0 TFSI クワトロ・スポーツ(686万円)とS5 スポーツバック(913万円)。クーペは、A5 クーペ 2.0 TFSI クワトロ・スポーツ(686万円)とS5クーペ(913万円)がある。

(文:小川フミオ/写真:荒川正幸)

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