「マンション管理人」の人手不足がヤバすぎる

知られざる実態、時給3割増でも集まらない

管理会社は、管理人の急な休みに対応するため代勤の要員を抱えている。3年ほど前までは受注を先行させても、代勤要員をやり繰りして何とか帳尻を合わせてきた。だが、担い手の高齢化が進み、それもいよいよ難しくなってきた。

少し前までマンションは二つの“老い問題”を抱えているといわれた。マンションの老朽化と住民の高齢化。そこに管理人の高齢化が加わった。「この三つ目の老いが意外と知られていない」と言うのは、日本ハウズイングの小佐野台(うてな)社長だ。

応募者自体が減っている

管理人への応募者自体が減っているという声もある。マンションの管理人は、60代、企業の管理職経験者というのが相場だった。それがここ数年、企業の定年延長、再雇用の動きが顕著となり、応募者が雇用市場に登場しにくくなっている。

実際、2012〜2013年ごろから60歳以上の就業率が急上昇している。大和ハウス工業やサントリーホールディングスなど、大企業が相次いで「65歳定年」を打ち出した年でもある。

「都心5区の管理人の時給は今や1200〜1300円。しかも交通費は別。数年前は1000円以下だったのに」と別の管理会社も嘆息する。しかもこれだけ賃上げしても、人はなかなか集まらないのが現状だ。

管理会社も手をこまぬいていたわけではない。3年ほど前から定年延長や時短勤務など、考えられる手は打ってきた。

たとえば、ある大手管理会社では、採用開始年齢の上限を60歳から67歳にする一方、定年も65歳から70歳に引き上げた。70歳以降は体調が良好で管理組合からの要請があれば、72歳まで働けるようにした。

別の管理会社は9時〜5時の時間指定ではなく、1日3時間という拘束時間でも働けるよう、管理組合と交渉し契約内容を変更した。

ただ、「定年延長はしょせんカンフル剤にすぎない。カンフル剤を打てる間に何とかしなければならないのだが……」と、野村不動産パートナーズの黒川勇治社長は思案投げ首の体だ。

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