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形だけのガバナンス改革は不要
企業価値向上につながる取締役会改革とは?
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●日本の企業の取締役会改革への期待

川本:数年前には取締役会のあり方を公共空間で議論することは、それほど多くありませんでした。この間の日本企業の変化、進歩は非常に大きなものがあります。ただ、もちろん今は過渡期で、少し進むといろいろな問題がまた出てくる。それに対して、よく議論し、客観的な意見を求め進化していただきたいと思います。それが日本企業の企業価値全体を上げますし、日本の成長につながるのではないでしょうか。

澤口:現在、企業の取締役を務めている方は、皆、悩まれていると思います。でも、それは不自然なことでもなければ、皆さんの責任でもありません。まさに今変わろうとしているところなので、そういう疑問や、悩みを持つこと自体が当然なのです。それをきっかけに議論を進めていただきたいと思います。

泉谷:成長とガバナンス改革を考えるとき、現在ではガバナンス改革という言葉に引っ張られ過ぎている面があると思います。実はガバナンス改革は、新しい成長モデルをつくるための手段に過ぎないのです。教科書どおりやっても業績に結びつかないので、企業価値をどうやって上げるか、企業の持続的成長をどう実現するか、この辺をテーマにガバナンス改革をすべきだと思います。それによって企業の方向性が見えてきて、将来の不確実性の問題についても議論のテーマに自然と上がるようになるでしょう。

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