フィリピン麻薬戦争、「殺害リスト」の大問題 容疑者リストは殺害のためのリストなのか

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バランガイの起源は16世紀のスペイン人来航以前までさかのぼる。その規模は、マニラでは人口稠密な街路2本だけで構成されることもあれば、郊外では何マイルにもわたって広がっていることもある。

各バランガイにはキャプテンと6人のカガワッド(評議員)がいる。カガワッドは選挙で選ばれるが、不正が告発されることも多い。フィリピンにおけるもっと高い地位と同じように、バランガイのキャプテンの地位も、同族のあいだで受け継がれることが多い。

バランガイの事務所はコミュニティの中心部にあり、どんな日でも、その廊下はいわゆる「決裁」を求める人々でごった返している。つまり、住宅の建設、企業設立、就職、子どもの地元の学校への入学といった目的のための書類にキャプテンのサインが必要なのだ。

11年にわたってパラティウ地区のキャプテンを務めていたエリベルト・ゲバラ氏は、「人々は以前よりも私たちを頼りにしており、迅速に対応するよう求められている」と話す。彼は現在、キャプテンを継いだ彼の妻を補佐している。

地域が名前を提供

警察が各地区で麻薬密売人・常用者を特定するうえで重要な支援を提供しているのが、バランガイ麻薬撲滅行動委員会(BADAC)である。

各BADACは、委員長を兼任するキャプテンが選んだ6─10人の委員で構成される。教師や教会関係者、青年指導者、その他の市民団体のメンバーなどである。

各BADACは、警察が「麻薬関係者」と呼ぶ人々、つまり常用・密売の容疑者の名前を提供する。そのほとんどは微罪だ。警察によれば、その後、全国規模の麻薬対策・情報機関担当者との協議を経て、これらの名前を「確認」するという。警察が独自に名前を追加することもある。

1998年に初めて政府により創設されたBADACは、当初、毎月招集されることになっていたが、多くのBADACは何年にもわたってほとんど開催されず、机上の存在と化していた。ドゥテルテ大統領は、単にBADACを復活させるだけでなく、それを麻薬撲滅作戦の要の位置に据えたのである。

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