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「3つの傲慢」が日本のFinTech普及を阻む 大手金融機関がベンチャーに見限られる日

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  • 城田 真琴 野村総合研究所 DX基盤事業本部 兼 デジタル社会研究室 プリンシパル・アナリスト

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伝統的な金融機関が、「昔の感覚」が抜けないままでスタートアップ企業と付き合おうとすれば…(撮影:今井康一)
「銀行の機能は必要だが、銀行は必要か?」(ビル・ゲイツ)。
フィンテック(FinTech)がもたらす創造的破壊に対して、欧米とは異なる競争環境の下、日本の金融機関は何をすべきか。メガバンクなどは、スタートアップ企業との提携や出資などで革新的な技術・サービスを取り込もうとしているが、その際に留意すべき「3つの傲慢」がある。
欧米の先進事例から日本におけるフィンテックの展望までを詳述した『FinTechの衝撃』の著者が、「オープンイノベーション」を成功に導くためにメガバンクをはじめとする金融機関が何をすべきか、解説する。

「銀行はまったく必要なくなる」

脅威か? チャンスか? 金融機関に忍び寄る“破壊者”の正体を徹底解説。銀行、証券など業界関係者がとるべき対応策がわかる。書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。

「グーグル、フェイスブックが今後のわれわれの競争相手になる」

米国の金融業界に多大な影響力を持つ大手投資銀行JPモルガン・チェースCEOのジェイミー・ダイモン氏の言葉である。フィンテック(FinTech)について触れた記事や書籍でたびたび紹介されているフレーズだ。

昨年から日本でも急速に盛り上がりを見せているフィンテックは、Finance(金融)とTechnology(テクノロジー)を掛け合わせた造語だ。テクノロジーを駆使して新たに生み出された、便利でデザインに優れた金融サービス、もしくはそうしたサービスの提供企業を意味する。

冒頭のフレーズに集約されるように、米国の金融機関がフィンテックに取り組むのは、グーグル、フェイスブック、アップルなど、シリコンバレーを中心とする米国西海岸のテクノロジー企業大手やスタートアップ企業が提供する決済や送金、融資などの金融サービスが脅威となっているからである。

「金融サービスには、信頼や信用が不可欠であり、ネット企業やスタートアップにはとうてい不可能だ」。こういう意見もあるだろうが、金融危機で大打撃を被った米国の消費者からしてみれば、むしろ、既存の金融機関のほうが信用できない存在ということになる。

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【ミレニアル世代は、既存の金融機関に厳しい】

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