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全米を驚かせたニンジンの奇抜すぎる売り方 私たちの健康は食品メーカー次第だ

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「ジャンクフードのように食べよう!」

こんなキャッチコピーを冠した食品が2010年、米国でブームとなった。ポテトチップスやクッキーでも入っているかのようなパッケージで売られたその食品とは、ベビーキャロットである。日本ではあまりなじみがないが、ニンジンを一口サイズにあらかじめカットしたもの。料理に使う人もいれば、ディップにつけたり、そのまま食べたりする人もいる。

野菜をジャンクフードに見立てるとは斬新である。仕掛けたのは米国の食品メーカー、ボルトハウス・ファームズ。ニンジンの販売では全米2大企業の一つだ。

当時同社は伸び悩む売り上げに対し、打開策を見つけられずにいた。そこへCEO(最高経営責任者)としてやってきたのが、飲料業界の巨人、米コカ・コーラの幹部だったジェフリー・ダン氏。新たなマーケティング戦略として打ち出されたのが、「ジャンクフード化」だった。ダン氏は米メディアに対し、「ソフトドリンクやスナック菓子のメーカーがするような、直感に訴えるキャンペーンをしたかった」と語っている。

売り上げは前年比1割増に

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実際、2010年9月に一部地域で先行的にジャンクフードキャンペーンを始めると、売り上げは前年比10%増に転じた。さらに、2つの高校にベビーキャロットの自動販売機を設置し1袋50セント(約50円)で販売すると、1週間で80~90パックが売れた。聞きつけた多くの学校が同社に問い合わせてきたという。

ボルトハウスにとっては売り上げを伸ばすための戦略にすぎなかったが、まったく異なる視点で注目した大学の研究者がいた。ハーバード大学公衆衛生大学院のイチロー・カワチ教授である。「健康食品を売る際に『ビタミンが豊富です』などと健康面の良さを訴えても、圧倒的多数には届かない。むしろ『これは美味しい、楽しい』といった面を伝えなければならないことに気づかされた」。

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【「健康格差」の拡大につながる?】

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