異色ベンチャーに学生4万人が殺到する理由 型破りのインターンシップで、学生の心わしづかみ

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他社に入社してから戻ってくる人も

――社会人を対象とする養成制度と、学生向けインターンシップでは考え方から異なるはずです。どのような工夫をしましたか?

学生にB to B企業、かつベンチャー企業の認知度は非常に低い。そこでまずは応募してもらうために「日給支給、内定ではなく入社パスを出すインターンシップ」とした。実施時期は、学業に影響しない夏休みと春休み。期間は約2カ月と長期のインターンシップだった。

そして期間中に「この学生の資質は間違いない」と太鼓判を押した学生には、最大5年以内であればいつでも入社できる「入社パス」を発行することにした。この年の応募者は約700人、うち約100人がインターンシップに参加した。

――02年から10年が経過しました。「問題解決能力発掘インターンシップ」の運用に変化はありましたか?

いちばん大きな変化は応募者数の増大だろう。1期生の募集では700人の応募者数だったが、口コミで評判が広まり、現在は年間で4万人の学生が応募してくる。この4万人からインターンシップ参加までの選抜は、セミナーと事前選抜によって行っている。

セミナーは100人規模から1000人規模まであり、参加学生には筆記試験を受けてもらう。事前選考では、グループワークやロジカルシンキングテストを行い、年間約1000~2000人の参加学生を選抜する。

ちなみに当社のインターンシップは、全学部全学年の学生が参加できる。過去1年生がトップの成績を収めたこともある。「入社パス」の猶予時間の使い道はさまざまで、留学する人もいれば起業する人もいる。いったんは他社に就職しながらも、後から戻ってくる人もいる。

――「問題解決能力発掘インターンシップ」に参加した学生が、就活に関するアンケートで「脳の限界まで考える経験」と表現していました。どんな内容で脳の限界まで考えさせるのですか?

ワークスが学生に与える課題は大きく2つ。1つ目は、1人でひたすら考え抜いてアウトプットを出す、個人での問題解決。2つ目は、それぞれのポテンシャルを持ち寄って課題にアプローチさせる、グループでの問題解決。両課題を通して、学生は高いレベルでの問題解決思考を経験することになる。

提示される課題は、テーマのみを示した1文のみ。学生はまず、そのテーマから、どうなっていれば理想の状態なのかを考える。理想を描き、今度は現状とのギャップを考える。最終的には、そのギャップをどのような方法で解決していくのか、実現のプロセスを具体的に考える。当社のインターンシップの中で学生に与えられる問題に、決まっている答えはない。学生は、自ら解決するべき問題を見つけ、解決するためのプロセスを描き、解を導き出すのだ。

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