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恵まれているのに「不幸だ」と感じる人の目線 「足りないもの」を嘆いても幸せにはなれない

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  • 片田 智也 心理カウンセラー/LOGOSCOPE 代表

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満たされない気持ち。どう整理をつけたらいいでしょうか(写真:Rina / PIXTA)

その質素な暮らしぶりから「世界一貧しい大統領」と呼ばれるウルグアイの前大統領、ホセ・ムヒカ氏が今月、緊急来日した。

ムヒカ氏は4月8日に放送されたフジテレビ系列の緊急特番で池上彰氏と対談。「貧しさ」について問われこう答えた。「本当に貧しいのはわずかなものしか持っていない人ではない。もっと多くを欲しいと渇望し、いつまでも満足できない人が貧しいのだ」

ムヒカ氏によると、本当に幸せなのはわずかなものだけで満足を感じられる人だという。その逆で、どれほど多くを持っていても満足できない人が不幸と論じる。ムヒカ氏は、在任中に得ていた所得の9割を寄付。自身は月10万円で生活していたという。車は30年近く乗り続けたボロボロのワーゲンだった。多くを手にするため必死に働く日本人に対して、ムヒカ氏は「本当に幸せですか?」と警鐘を鳴らす。

豊かさや富を求めることが、どうして貧しさや不幸につながってしまうのだろうか。

「不幸なお金持ち」が訴える驚きの悩み

筆者は心理カウンセラーという仕事を通じてさまざまな人の悩み相談をしている。仕事柄、「私は不幸だ……」と嘆きを訴える人の話を多く耳にしてきた。Mさん(40代専業主婦)が住むのは東京都港区白金台。23区でも高級住宅地といわれる場所である。夫、息子2人と暮らし、一見すると幸せそうに見える。しかしカウンセリングが始まるやいなや、彼女は堰を切ったように「いかに自分の人生が不幸か?」について語り始めた。

私立高校を志望したのに公立高校に行かされた。妹は二浪して大学に行ったのに、自分は短大で我慢させられた。友人の家が新築でうらやましい。親友の子供は成績優秀で東大に入学した。夫は部長止まりで役員になれなかった。

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【足りないものしか見えず、渇望感に苦しむ】

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