余命短い幼児に「命の不公平」を問われたら?

全受験生が凍りつく入試面接への向き合い方

小児がんの子どもに「命の不公平」を問われたら、何を答えますか?(写真:Rm。 / PIXTA)

医学部入試の難化傾向が進んでいるせいか、医学部受験生を指導していてさまざまな難問に出くわすことがある。それは数学、英語、生物などの学科ばかりではない。というか、学科にはひとまず答えがあり、答えることのできない難問は稀少と言っていい。

クセモノは小論文・面接試験だ。そんな中、ひときわ私の印象に残る問題がある。それは、2次試験で出題された口述の問題である。

「小児がんに苦しむ幼児に『どうしてあなたは健康なのか、不公平ではないか』と問われたら、あなたはどう答えるか。3分以内に答えてください」
(東邦大学医学部改題)

 

受験生6人を集め討論の場を設けたものの……

だれしも一瞬、フリーズしてしまうのではないか。これは医師として仕事を始めてから向き合うような問題だ。以前この問題について、学業の優秀な受験生6名を集め討論させたことがある。予想通り、その後の展開は深刻で、たいへん印象深いものになった。

まず質問が記されたA41枚の紙を皆に配布し、2分間考えさせた後、「さあ、それでは討論を始めてください」と水を向けてみた。ところが、3分ほどは誰も口を開かず、凍りついたような静寂が室内を支配したのである。

実のところ、私もこの難問に対する確かな答えを持ち合わせているわけではない。そこでその日の講義では、問題点を整理しつつ、次のようなプロセスで彼らに話をした。

次ページ大学側は、大した答えを期待していない?
関連記事
トピックボードAD
人気連載
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • いいね!

※過去1週間以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※週間いいね数のランキングです。

トレンドウォッチAD
ショッピングセンターの憂鬱

ショッピングセンター(SC)の新規開業が相次ぐ一方、閉店も増加。セールの乱発と主力の衣料の苦戦で、既存SCの売り上げは不振だ。百貨店と同様に大量閉店の波が押し寄せるのか。