ニチガス、東京ガスのシェア奪取へ前進

電気とガスのセット販売で東電と提携交渉

日本瓦斯の和田社長。同社は大胆なシェア拡大戦略で知られ、この業界では異色の存在だ(撮影:今井康一)

「さまざまな会社と水面下で交渉はしているが、まだ公表はできない。(小売り全面自由化は)来年が電力、2年後がガスと言われるが、(大口分野では)もうガスと電力のセット販売はできる。できる範囲で協業し、走りながら仕上げを進めていく」

日本瓦斯(通称ニチガス)の和田眞治社長は5月に都内で開いた決算説明会の席上、東京電力との“電力・ガスのセット割引販売”という提携交渉報道について問われ、こう答えた。そして「消費者の利便性を増すイノベーションが重要。そのための提携だ」と強調した。

ニチガスは関東でLPガス販売量トップ、都市ガス販売量3位で、国内顧客件数は計110万件。東電との提携交渉については、すでに東洋経済による取材でも和田社長が示唆していた(参照記事 ニチガス社長、「ガス業界再編の核になる」)。公の場で提携推進を認めたのは、今回が初めてだ。

巨大ライバル・東京ガスの顧客を奪う

都内にあるニチガス本社。LPガス企業は全国に2万社以上もある(撮影:今井康一)

東電と提携して、電力とガスのセット販売が可能になれば、将来的にニチガスは東電の膨大な数の顧客(家庭向けで約2000万件)にガスを供給しやすくなる。

中部電力と燃料・発電事業で提携して競争力を増す東電との関係強化は、都市ガスの原料である液化天然ガス(LNG)の調達でも、ニチガスにとって有利に働く。

そして目指すは、都市ガス市場で顧客数約1100万件と圧倒的な存在を誇る、東京ガスのシェア奪取。「電力・ガスの全面自由化後は、最低でも年間20万件の顧客件数純増を目指す」(和田社長)と強気なのは、そうした提携戦略を想定しているからだ。

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