小売り全面自由化、新電力本命は東京ガス

ガスや通信会社、生協などがなだれ込む

東京ガスの扇島ガス火力発電所。エネットなどに供給。現在は3号機を建設中

“電力小売りの全面自由化”を柱とした改正電気事業法が6月11日に成立した。これで2016年をメドに小口の電力市場が開放され、戦後60年以上続いた大手電力会社による電力販売の独占体制が完全に終わる。

新たに開放されるのは、一般家庭や小規模の商店・事業所が対象で、契約数は約8400万件、市場は約7.5兆円に上る。販売電力量では全体の4割だが、大手電力にとって利益の9割を稼いできたドル箱市場だ。

これまでの自由化では、まず1995年に発電が自由化。大手電力へ卸売りする独立系発電事業者(IPP)の参入が可能になった。99年には電力小売りのうち、大型工場など大規模需要家向けが自由化され、特定規模電気事業者(PPS)の「新電力」が誕生した。そして03年には中規模需要家向けの小売りが自由化。電力量の6割が開放され、現在に至る。

競争はさらに激化

現状で新電力の電力量シェアは4.17%(13年度)。ただ、大企業が集まる東京電力管内では12年度に6.5%強、13年度には8%近くに増えたもよう。最大手はNTTファシリティーズ、東京ガス、大阪ガスが合弁を組む、エネット社だ。販売量は新電力全体の40.5%に達し、低価格を武器に、役所や学校など取引先を拡大している。

これで家庭向けが解禁されれば、競争はさらに激化しそうだ。新電力設立の届け出を提出した企業は244社と1年強で3倍増。各家庭から見れば、電力会社を自由に選べるようになるが、はたして電気料金は下がるのか。

「欧州では自由化後に電気料金が上がったが、燃料価格上昇や増税、再生可能エネルギーの賦課金増加など、競争以外の要因が大きい。自由化による競争から日本で料金が下がる余地は十分ある」と、富士通総研経済研究所の高橋洋・主任研究員は見通す。

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