中田敦彦「松本人志への提言」が他人事でないワケ なぜこれだけ大騒ぎになったのか?

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中田敦彦さんの提言が波紋を呼んでいる(画像:「中田敦彦のYouTube大学 - NAKATA UNIVERSITY」より)

その「【松本人志氏への提言】審査員という権力」というタイトルが不穏さを物語っていました。

これは中田敦彦さんが自身のYouTubeチャンネルで更新した動画で、その内容は主に複数のお笑い賞レースで審査員を務める松本人志さんに対する批判的な言葉。「中田さんが吉本興業時代の先輩にあたる松本さんに噛みついた」というインパクトがあるからか、公開わずか3日あまりで300万回に迫る再生数を記録しました。さらに、多くの芸能人やYouTuberなどがこの件にコメントし、それを連日ネットメディアが報じるなど、世間の人々を巻き込んで関心の高い状態が続いています。

あらためて中田さんの発言はどんなもので、反響を生むどんな理由があるのか。また、「YouTuberの炎上狙い」という解釈で終わらず、報じられ続けている理由は何なのか

それらを掘り下げていくと、単に芸能界の話だけでなく、ビジネスシーンにおける部下が上司に、あるいは辞めた社員がトップに、噛みつく心理にも通じるところが見えてきます。

なぜ「話にならない主張」を並べた?

中田さんは動画の最後に、「収益化、止めますか?これ。何かっつったら『金稼ぐために利用するんじゃねえ』とかがあるから、ジャニーズの(性加害騒動に言及した)ときも収益化を停止したんだけど、これも収益化停止するよ」とコメントしました。「お金目当てじゃない」ことを明確にすることで、提言の正当性を訴えたかったのでしょう。

とは言え、松本さんの名前を前面に出すことで自分に注目を集め、他の動画を見てもらうチャンスが増えるなど、何らかの収益化にはつながるのも事実。さらに、「松本人志、中田敦彦」と並んで報じられることで、一定のブランド効果が期待できます。ちなみにエンタメの世界に限らずビジネスシーンでも、若手・中堅が大物に噛みつくときは、「PRやブランティングの一環」というケースが少なくありません。

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