いい大学に入り、いい会社に入っても、一生安泰の保証はない。これからの時代は、社会に出た後にどんな努力をするかで将来が決まる。この連載では、「学歴なし、コネなし、カネなし」で世の中を渡り歩いてきた安井元康・経営共創基盤(IGPI)プリンシパルが、悩めるビジネスパーソンからのキャリア相談に、本当に役立つ実践的なアドバイスをしていく。
※安井さんへのキャリア相談は、こちらまでお送りください。
新卒で会社選びを間違えることはよくある
ご自身に合わない、と感じていた職場に、早々と見切りをつけたYさんにまず拍手を送ります。そして、体調を崩されて次の仕事を探される間もアルバイトを頑張っていらっしゃることから、真剣さが伝わってきます。
私もかつてはYさんのような状態で働いており、結果的に血を吐いて入院するまでに至ったので、状況はリアルにわかります。
また、かつて同じく警備員や工事現場、引っ越しなどの肉体労働系アルバイトを数多く経験してきたので、ぜひいい形で次の仕事を見つけていただきたいと思います。
さて、Yさんは、おそらく新卒で就職後すぐの転職でしょうから、退職理由は正直に伝えて問題ないと思います。これは採用に携わる多くの私の友人知人も同意見なのですが、新卒で入った会社を短期で辞める理由なんぞ、しょせん会社選びを間違えたことが根本にあるにすぎません。間違えた、自分に合わなかった、というのはよくあることですので、それ自体は決して問題になりません。
「新卒の3割が3年で辞める」と数十年間、同じことが言われ続けていますし、仕事選びに失敗したなどと、過度に気にする必要はないということを覚えておいてください。
実際、現在は偉そうに、こんな話をしている私自身、最初の会社を1年程度で辞めて転職していますが、だからといってその後のキャリアにマイナスの影響があったとはまったく感じていません。
ただし、「問題がないこと」と「採用されるか否か」には大きな違いがあります。後者は正直な理由の伝え方に加えて、「プラスアルファ」の部分が必要なのも事実。採用される確率を上げるためにはそれが重要です。そこには後ほど触れます。
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