「激務で体を壊し退職」、面接で言ってOKか 9カ月で退職した理由の説明に悩んでいます

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たとえば、以前の現場監督と次の仕事の共通点を考え、何かしら動機として伝えることはできないでしょうか? 

複数の下請け業者さんの管理やチームワークの効率化、工事の進捗や工程管理といった視点で考えると、自動車の製造や設計などにも似ている仕事のやり方や要素があったりしますよね。

もし、そういった異なる人材・チームで力を合わせて何かを作り上げていく工程や管理、つまりオペレーションや組織力的なことを、より現場に近いところでリアルな経験を積みたい、といったことが新卒時に建設会社に入られたモチベーションであり、なおかつ自動車業界を目指す理由であれば、採用する側からみて、「仕事に対する一貫性の担保」という意味において、プラス要素となる可能性があります。

また、「前職のように経験が浅い中でいきなり監督という立場ではなく、まずは現場をきちんと理解したうえで着実に上の立場に立っていきたいので、最初は基本からとことん学びたい。そういった環境を探しています」でもよいでしょう。退職理由の「リターン」にもつながります。

少なくとも、「好きだから、労働環境がよさそうだから」だけよりは真剣味が伝わると思いますし、「短いとはいえ職業経験を無駄にする私ではない」という学習能力を有していることのアピールにもなると思います。

重要なのは、「9カ月とはいえ貴重な経験である」という認識の下に、新卒組やほかの第2新卒組との差別化要素として志望動機に取り入れることです(繰り返しですが、その際にウソはいけませんよ!)。

「成長」を面接で見せる

前職では不幸にも体調を崩されてしまいましたが、その後も警備員のアルバイトをされているYさんは、仕事に対してガッツのある方だと思います。であるがゆえに、仮に周りから「9カ月でどうのこうの」と言われたとしても気にすることはありません。9カ月とはいえ、そこでの学びを少しでも次につなげることができれば、成長していることになります。逆に言えば、その成長を面接で見せることができれば、採用確率も上がるということです。

まだ22歳なのですから、この先、長い職業人生が待っています。悩みつつも、つねに前を向いて一歩一歩ご自分のペースで歩いていきましょう。応援しております。

※安井さんへのキャリア相談は、こちらまでお送りください。

安井 元康 『非学歴エリート』著者

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やすい もとやす / Motoyasu Yasui

MCJ社長兼最高執行責任者(COO)。アニメーションの企画・制作を手掛けるベンチャー企業を経て、MCJにて東証への上場を経験。その後、経営共創基盤にて戦略コンサルタントして9年間活躍し、2016年3月にMCJに復帰。著書に学歴コンプレックスに悩みながらも独自の方法でキャリアを切り開いてきた様子を描いた『非学歴エリート』(飛鳥新社)や、自分ならではの人生を生きる術を描いた『極端のすすめ』(草思社)等がある。

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