Aくん、今日も吉岡先生のところに来て話し込んでいます。仕事のやり方で疑問が出てくると、とりあえず話しているうちに頭がすっきりするみたいです。
A「自分としては、仕事をそれなりにきちんとやっているつもりなのですが、上の世代から『もっと主体性を持って取り組め』って言われるんですよね」
吉岡「そういえば、この頃『さとり世代』という言葉もあるんだって?」
A「ムダな努力や衝突を避け、高望みしない。クルマとか、モノを欲しがらない。異性・セックスに興味がないなんていう若者のことを言うみたいですね。1987年以降に生まれた世代で『ゆとり教育』の落とし子だとか。ボクも『さとり世代』に入るんです」
吉岡「日本人って、ホントに世代論が好きだね。私が大学生のときなんか『シラケ世代』と言われたし、その後には『新人類』とか『バブル世代』とか、毎年のように『何々世代』という言葉を作り出している人たちがいる」
A「もちろん、毎年、世代が新しくなるわけではないですよね」
吉岡「当然だろうね。しかも、そういう人が『日本型組織』とかいう言葉を平気で使うのだから、びっくりだね。1年ごとに『世代』が変わったら、日本型組織なんて特徴はできるわけない。むしろ、『世代』という言葉で輪切りにして、集団を分類できるという思い込みや思考パターンがどこから来たのか、考え直したほうがいいよね」
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