社長のスピーチは、思考停止ワードだらけ?

「全社一丸となる」「経営マインドを持つ」……

マジック・ワードについては、『その言葉だと何も言っていないのと同じです!』(日本実業出版社)にも詳しい
 会社で、ビジネスシーンで“常識のごとく”口にされる言葉やフレーズがある。そうしたものの中で、気をつけなければならないのが、言われれば妙に納得できるが、よくよく考えると「で、どういう意味?」と首をかしげたくなる、いわゆる思考停止を招く「マジック・ワード」。
 それを知っているかどうかが、会社内での立場や人間関係をも左右しかねない。そこで、よく耳にする、そして新年度の今だからこそ発せられやすいマジック・ワードについて、文章表現のプロである吉岡友治氏に聞く。
 以下、A君と吉岡氏の架空のやり取りから、論理的な言葉遣いのヒントを感じてほしい。
※前回記事「その上司の言葉、『思考停止ワード』です」はこちら

 

【今回の「お言葉・フレーズ」】 組織一丸となって立ち向かう

 新年度初め、全社員を前にして、力強く社長が語り始めました。

社長「グローバル化の中、会社の力が真に試される時代となりました。ここ数年、わが社の業績が思うように伸びなかったのは、まことに遺憾です。わが社は、今年度が正念場。この未曾有の危機に、“組織一丸となって”立ち向かわねばなりません!」

Aくん、隣に立っている先輩につい聞いてしまいました。

「先輩、『組織一丸となる』って具体的にどういうことをするのですか?」

先輩「しーっ、黙って聞いていろよ」

社長「そのためには、会社組織が一体とならねばいけません! 今年はトップも不退転の決意で臨むつもりであります。それを受けて、従業員の皆さんも一人ひとりが経営マインドを持って、頑張ってほしいと思います!」

「先輩、『経営マインドを持つ』って?」

先輩「しーっ」

社長「上司も部下も心をひとつにしてほしいのです! トップが決めたことを、素早く間違いなく実行できるようにしていただきたい。グローバル化では、何よりもスピードが大切です。今までのように、会議に時間を使っていてはいけない。状況に素早く対応して、必要な態勢を組んでいかなくてはいけません! 上の命令を部下が間違いなく理解して、一糸乱れずに行動する。そういう正確さが必要なのです!」

「組織一丸となる」は実現できるのか?

社長の訓示は終わり、A君は自席に戻りましたが、どうも納得できません。

「先輩、さっきの社長の訓示の意味、わかりました?」

次ページ「組織一丸」じゃスピード感に欠ける?
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