米ナイキが苦難の末に学んだ、CSRとは?

10の「メガリスク」をビジネスチャンスに変える法

 世界でCSRの重要性がさらに高まっている。特にEU(欧州連合)ではCSRに関する重要政策が打ち出されるなど、新しい動きが加速し始めている。だが、日本ではまだ、ごく単純に「CSR=社会貢献」だと認識している向きがまだ多い。では、世界のCSRの変化にどのように付き合うべきか。ロンドン在住のCSRコンサルタント・下田屋毅氏が、欧州の最新情報を交え、レポートする。
 企業はなぜCSRに取り組む必要があるのだろうか。第1回は、欧州がリードするCSRの「2020戦略」を中心にとりあげたが、今回はリスク面からその必要性について見ていきたい。
2010年4月、メキシコ湾で起きた過去最大の原油流出事故。英BPがCSRを軽視したことも大きな原因となったとされる。11名が死亡しただけでなく、490万バレルの原油が流出、深刻な環境汚染を引き起こした(Everett Collection/アフロ)

今からちょうど4年前、メキシコ湾で起きた過去最大の原油流出事故を覚えていらっしゃる方も多いだろう。2010年4月20日に石油メジャーの英BPの石油掘削施設「ディープウォーター・ホライズン」で掘削中の海底油田が爆発し、11名が死亡した。

過去最悪の事故が教えること

さらに2日後には施設と油井をつないでいたパイプが破損し、その後87日間にわたり490万バレルと見込まれる原油が流出。アメリカのテキサス州からフロリダ州沿岸までの広範囲で環境汚染が発生し、生態系に甚大な悪影響を及ぼした。

沿岸地域では拡散した油により、マングローブや海藻を絶滅させ、イルカなど海洋生物の半分を死に追いやった。環境への悪影響だけでなく湾岸住民の健康被害、そして観光業や漁業などの仕事も奪った。

さて、この「ディープウォーター・ホライズン爆発・原油流出事故」は、BPがCSRの取り組みを実施しなかったために発生した災害だとお考えになったことがおありだろうか。

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