インテルにできて、日本企業に足りない戦略

なぜ従業員にCSRが浸透しないのか

インテルの半導体製造工場(写真:ZUMAPRES/アフロ)

本連載(過去の記事はこちら)は、これまで欧州企業におけるCSR(企業の社会的責任)の事例やトレンド、外部のリスクを企業活動の中でどのように対応すればよいのか、トップのコミットメントやトップダウンの重要性などについて解説してきた。

最終回の今回は従業員それぞれが、CSR・サステナビリティの重要性を理解し行動を起こす、つまり浸透した状態になるにはどうすればよいか考えていきたい。

「働きたい企業」に選ばれるインテルの戦略的CSR

米国カリフォルニア州に本社を置く世界最大の半導体メーカー「インテル」は、世界60カ国以上に約10万6700人の従業員が在籍する。2014年の売上高は559億ドル(約6.7兆円)、営業利益153億ドル(約1.8兆円)。これだけの高収益企業のインテルがCSRの戦略的な目標として掲げるのが、「従業員への配慮、地球への配慮、革新的な次世代の育成」だ。

インテルは成功のためには、「すべての従業員が会社全体のビジョンや事業戦略に自分の仕事がどうかかわっているかを理解することが重要」とし、企業戦略に沿って従業員が行動できるようインターネットや個別のコミュニケーションを活用している。

また、トップダウンとボトムアップのアプローチで、社内のコミュニケーション、さらにエンゲージメントを推進。従業員が働きやすい職場を提供している。こうした取り組みもあり、同社はフォーチュン誌の「働きたい企業ベスト100」に毎年継続して選ばれている。2011年にはインテル大学を設立。従業員にビジネスのスキルアップを含む包括的なトレーニングを提供するなど、働きやすい環境づくりを進めている。

CSRの推進には、企業のトップ・取締役がCSRの重要性を理解し、トップダウンでCSR戦略を進めることが不可欠だ。しかし、上からだけでは成功は難しい。マネジャーなどの職場のリーダー、そして従業員一人ひとりがしっかりと理解しなければならない。

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