ホリエモン愛用。金融スタートアップの本命 時価総額2兆円のポテンシャル?

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クレジットカード履歴などからユーザーにレコメンド情報を出せると、強力なターゲティング広告となる。筆者はそこにポテンシャルを感じるが、そのデータの活用に関しては「慎重に検討したい」と辻氏はとどめた。

先行者優位性と認知度の高さから、国内のFinTech市場を爆走するマネーフォワード。個人向け、法人向けの両方の市場を制覇できるのか。個人向けではFinTech特集第3弾で紹介するMoneytree、法人向けでは第2弾で紹介するfreeeがその行く手を阻むのか。今後の急激な成長が期待される市場であることは間違いない。

【梅木雄平のスタートアップチェック (各項目を1~5で採点)】
●経営陣:4.2 金融を知り尽くしたマネックス出身の辻氏が手掛けるだけあり、安定感がある。この分野でいち早く6億円強の資金調達にも成功している。
●市場性:4.3 家計簿・資産管理の個人向け市場のみならず、法人向け市場も狙う。事業計画上のセグメント売り上げは1:1と見込む。両方の市場を狙うため市場は大きく、海外のINTUITの売り上げが約4000億にもなっており、ある程度のボリュームの市場ではある。
●利益率:3.9 個人向けはフリーミアムで月額課金500円、法人向けもフリーミアムで月額課金800円が中心。有料会員化率は通常のサービスの5%前後より高い(おカネにまつわるサービスのため、課金してでも利便性を求める)と想定される。コストのかかるモデルではないため、有料会員数が伸びれば利益率は上がる。海外の同業者のINTUITを見てもその傾向をうかがい知ることができる。主に個人向けでデータを活用したレコメンデーション広告への期待も高いが、そこが収益の中心になるとは現時点では判断しにくい。 
●競合優位性:3.7 現状は国内では個人向けではトップクラス、法人向けにも参入。この分野では高い知名度を誇る企業ではあるが、サービスの利便性はユーザーの好みが分れると判断し、中高齢者受けがよいと推測。逆にいえば20代を中心とした若年層や女性層はほかのサービスのほうに優位性があるといえる。競合が複数ある市場の中で、その認知度は優位性にはなるが、サービスの利便性においては絶対的な優位性は築けていないと考える。 
●海外展開力:3.3 アジアを攻めたいという意欲があり、年内にアジア展開を始める可能性がある。アジアでの勝機は未知数であり、展開前であることから、いったん低めに見積もる。
●総合点 :4.1 国内の金融系スタートアップでは最も知名度も高く、プロモーションがうまい印象がある。個人向け法人向けともに、ユーザーが複数のサービスを使う市場ではないと思われ、知名度の高さと資金力でユーザー獲得を推進していける点が有利であり、この分野での国内市場の勝者になると推測する。
●予想EXIT:2018年くらいの上場
●推定時価総額:200億~400億円
●推定根拠:フリーミアムで収益の柱を立てる事業モデルであることは間違いない。どれだけ早く無料ユーザー数をスケールさせ、有料化できるかに尽きる。現状のモデルで算出すると、個人向け有料会員数10万人で年商6億円、法人向け有料会員数10万人で年商8億円。4年後くらいに双方の有料会員が10万人ずつくらいとなり、年商15億円、営業利益率約50%程度と見込み、時価総額を算出。

 (撮影:梅谷秀司)

梅木 雄平 The Startup編集長

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うめきゆうへい

慶應義塾大学卒業後、サイバーエージェント子会社にてベンチャーキャピタル業務などに従事。複数のスタートアップ企業での事業経験を経て、2011年フリーランスとして独立後2013年に株式会社The Startupを設立。スタートアップ業界のオピニオンメディアThe Startup編集長を務める。著書に『グロースハック』がある
 

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