ホリエモンが、今どうしても伝えたいこと

堀江貴文氏インタビュー(上)

 今年11月10日に刑期満了を迎えた、ホリエモンこと堀江貴文氏。ゼロからの出発となるタイミングに合わせて、新刊『ゼロ』を上梓した。出版界のドリームチームを結集し、ミリオンセラーを狙う同作で、ホリエモンが伝えたかったことは何か。1時間半にわたるインタビューを、動画とともに2回に分けて掲載する。

これまでのイメージと違う理由

――堀江さんの新刊『ゼロ』を読みましたが、今までの堀江さんのイメージとかなり違うと感じました。

堀江:これまでは、「いいことを言っていたら伝わるだろう」「伝わらなくてもわかってくれる人だけわかってくれればいい」というスタンスでいたのですが、それじゃダメだと気づいたのです。実際には本意とまったく正反対に受け取られることもあって、伝えたい人たちにも伝わらないし、痛い目にも遭う。伝えたいことがあるなら、もっと誠実に伝えないといけないと思いました。

――これまで自分のPR戦略やブランド戦略を、考えたことはなかったのですか。

堀江:全然、考えたことがないですね。

――ムダだと思ったからですか。

堀江:相手がわかるべきだと思っていた。でも、なかなかわかってもらえなくて……。

――米国の場合、経営者はPRの専門家を使ってカリスマ的なオーラを演出したりもしますが、日本の経営者の場合、そうしたブランド戦略に疎い傾向があります。

堀江:僕の中では正直、そこまでつくるのは窮屈じゃない?という思いがあります。でも、そうしないと伝えたいことが表面だけで止まってしまうので、もっと真剣にやらなければいけないのでしょう。少し上目線に聞こえてしまうかもしれませんが、僕もみんなに歩み寄らなければいけないし、みんなも僕に歩み寄ってほしいと思っています。

――『ゼロ』には、堀江さんを嫌ってきたオジさんたちが、堀江さんを好きになるようなエピソードが多く記されています。

堀江:僕が歩み寄ったのは、そういう苦労エピソードを初めて明かしたことです。ただ、あまりにもドロくさい方向に行きすぎると、「努力にこそ価値がある」「結果なんかどうでもいい」みたいな極論になりがちなので、努力賛美や労働賛美になりすぎないように、表現を注意しました。すごく微妙なバランスで書いています。

――新聞配達の話やご両親の話、モテなかったエピソードなどをオジさんたちが知っていたら、受けも違ったでしょうね。

堀江:でも、そういう自己プロデュースはしたくなかったですから。

――地方から東京に出てきた人は、堀江さんとレベルは違うにしても共感する部分があると思います。刑務所で読んだ1000冊の本の中で、重松清さんの小説『とんび』に号泣したそうですね。

堀江:あれは泣ける話ですよ。まあ、地方出身者にしかわからないかもしれない。でも、僕はあの小説の息子みたいに「いい子」にはなれないですが。

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