「ヤフーは楽天もアマゾンも愛してます」

小売・Eコマースの未来像(1)

 IT業界の国内外のキーパーソンが一同に会す、インフィニティ・ベンチャーズ・サミット(IVS)。IVSは経営者・経営幹部のみを対象にした招待制のカンファレンスとして、年2回開催されている。本連載では、2013年12月3日〜4日にかけて京都で開かれた「Infinity Ventures Summit 2013 Fall Kyoto」のイベントの一部を紹介。第1回目は、三越伊勢丹、ヤフー、楽天のキーパーソンによる「小売・Eコマースの未来像」のセッションをお届けする。
<「小売・Eコマースの未来像」セッション登壇者(写真左から)>
(モデレーター)
・インフィニティ・ベンチャーズLLP 共同代表パートナー 小野裕史氏
(スピーカー)
・三越伊勢丹ホールディングス 社長執行役員 大西洋氏
・ヤフー 副社長兼最高執行責任者 川邊健太郎氏
・ヤフー 執行役員 ショッピングカンパニー長 小澤隆生氏
・楽天 執行役員 編成部ビヘイビアインサイトストラテジ室室長 北川拓也氏

Eコマースはまだまだ伸びしろがある

小野: 本日はゲストとして、三越伊勢丹ホールディングス社長の大西洋さん、ヤフー副社長の川邊健太郎さんと執行役員の小澤隆生さん、楽天の執行役員の北川拓也さんに来ていただいています。この非常に面白いメンバーで「小売・Eコマースの未来像」についてディスカッションさせていただきます。

最初に、ひとつグラフを紹介します。このグラフは、各小売の売上の推移を示しています。これは経済産業省が発表した数字ですが、コンビニエンスストアは伸びている一方、スーパーは横ばい、百貨店はなかなか苦戦しているという状況です。

ここにEコマースの数字を重ねてみると、2012年の数字で、すでに9.5兆円あります。コンビニエンスストア全体の売上規模と同じくらいにまで伸びてきているわけです。Eコマースもなかなかいい、頑張っているじゃないかインターネット、というふうに見えます。

ただしその一方で、小売全体の売上の中で、Eコマースの占める割合がどれぐらいあるかと言うと、まだ、たった1桁パーセント、約7%しかありません。全小売のなかで、インターネットのBtoC、Eコマースの数字はまだ伸びきっていません。逆に言うと、まだまだ非常に伸びしろがあるとも言えます。

今日は、すでに小売、百貨店の中の雄である三越伊勢丹の話を聞きながら、インターネットが伸びてきているなかで、どう既存の小売は戦っていくのか、そして、インターネット専業で戦ってきているプレイヤーは、どう残りの93%を取っていくのか、もしくはこのトータルのパイをいかに増やすのか、といった話を、それぞれの視点でディスカッションしたいと思います。

では最初に大西社長から、プレゼンテーションをよろしくお願いいたします。

「個人の中の二極化」が激しい

大西:あらためて、大西でございます。よろしくお願いいたします。今日、IVSの席で、私がなんでこういう話をしているのか、自分でもよくわかっていません(笑)。なんせ百貨店業界は、Eコマースの分野が非常に遅れておりまして、どうなることかと不安な気持ちでここにきました。

ただ、先ほどみなさんにお会いしたら、ものすごくノリがよくて、非常にリラックスしてお話ができそうです。本日は、百貨店のことを話しても面白くないと思いますので、百貨店というよりも、当社の企業理念や今取り組んでいることについて、ご紹介させていただきます。

今、私が注目しているのは、「消費志向の二極化」です。従来の二極化は、富裕層とそうでない人たちの二極化という構図でした。それが今は、ひとりひとりの、「各個人の中の二極化」が、ものすごく激しく出ています。ですから、お客様にとってみると、いろんな使い道ができるということですね。

それから、今日本のGDPが500兆円を切る中で、小売業界の「モノ消費」の規模は、135〜140兆円程度です。ですから、GDPの約25%が小売。それに加えて、「コト消費」が120-130兆円ありますから、「コトモノ消費」合計でGDPの半分くらいはあるわけです。そして小売業のなかのEC、通販というのが、約10兆円です。すでに12兆円や16兆円に達しているという推計もありますが、いずれにしてもEコマースは、小売全体の7〜8%程度だと思います。

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