ヤフーのEC革命、お手本は中国のタオバオ

小売り・eコマースの未来像(3)

 IT業界の国内外のキーパーソンが一同に会す、インフィニティ・ベンチャーズ・サミット(IVS)。 IVSは経営者・経営幹部のみを対象にした招待制のカンファレンスとして、年2回開催されている。本連載では、2013年12月3日〜4日にかけて京都で開かれた「Infinity Ventures Summit 2013 Fall Kyoto」のイベントの一部を紹介。第1回目は、三越伊勢丹、ヤフー、楽天のキーパーソンによる「小売・Eコマースの未来像」のセッションをお届けする。

<「小売・Eコマースの未来像」セッション登壇者(写真左から)>
(モデレーター)
・インフィニティ・ベンチャーズLLP 共同代表パートナー 小野裕史氏
(スピーカー)
・三越伊勢丹ホールディングス 社長執行役員 大西洋氏
・ヤフー 副社長兼最高執行責任者 川邊健太郎氏
・ヤフー 執行役員 ショッピングカンパニー長 小澤隆生氏
・楽天 執行役員 編成部ビヘイビアインサイトストラテジ室室長 北川拓也氏 

 

(その1)「ヤフーは楽天もアマゾンも愛してます」

(その2)楽天、ハーバード卒28歳役員が語るEC戦略

機能とメディアの組み合わせは最高

小野:大きな流れとして、B to Cのいろんなプレイヤーが出てきている中で、1つ特徴としては、Cに近いスモールBも含めたショップが続々と立ち上がっています。たとえば、BASEさんとか、STORESさんとか、それぞれ報道では5万店舗という数字が出ています。

楽天の三木谷さんはインタビューで、「ヤフーさんが無料化したことは、特に心配していない」と語っていましたが、こうした小規模のところはあまり気にしない、あくまでも、大きなところだけを育てていくという考え方ですか?

北川:むしろ、そこの部分をテクノロジーでなんとかしたいと思っているんですね。だから、スモールビジネスがネット上で売れる仕組みをテクノロジーで解決するという方向性です。僕ら自身が、物を売ってあげるのではなく、サポート機能をどんどんよくしていくという、質の担保のほうに走っています。必ずしも数で勝負しにいくという考え方は持っていないかもしれないです。「店舗数が多ければ多いほどいい」という考え方ではないですね。

小野:ヤフーさんにとって、このあたりは十分競合になりうるゾーンだと思うんでが、川邊さんからまずお答えいただく感じでしょうか?

川邊:いや、もう省略します(笑)。

小澤:STORES.JPさんもBASEさんも、すべてYahoo!ショッピングに出店できるようになればいいと思っています。結局、STORES.JPに出店したら、自動的にYahoo!ショッピングに出店できる仕組みにするため、これからSTORES.JPに営業に行こうと思っています。これはマジで思っていて、そっちのほうが売れるはずなんです。なぜならSTORES.JPさんもBASEさんも、モールではなく、機能の提供だから。

集客の機能というのはヤフーが最も得意としています。機能とメディアとの組み合わせは、最高だと思っております。なので、とにかく、こういう機能系のところは、全て提供して参りたいところです。これは、我々が勝手に思っているだけなので、先方はどう思われているかは分かりませんけれども、そういうことだと思っています。

川邊:一応、さっき小澤さんが言っていましたけれど、今のヤフーのECに対する見立ては、検索にかなり近くなっています。それはどういうことかというと、検索も、大体400万事業所くらいが検索エンジンに登録されて、日々クロールされているわけです。そして、その400万事業所というのは、いわばヤフーもグーグルも無料でお客さんを紹介しているわけですよ。

そのなかで、「あ、なんか検索からお客さんが来たり問い合わせが来たりするようになったから、もうちょっと、うちのホームページを目立たせたい」みたいな理由で、検索連動広告を買う事業者が、ヤフーの場合、大体30万社から40万社いるわけです。

ですから、我々は母数としてまずそれくらいあって、そのなかで10%くらいのお客さんが、何かしらお金を払ってくれるようになればいいな、と。それは、検索エンジンのほうで今までやっていたのに、なんでECのほうではやってなかったんだろうね、今になっては不思議だよね、みたいな話です。そういう考えなので、店舗の数はすごく大事ですし、店舗の主体性や自主性によって、ビジネスはどんどん回っていくことになるかなと考えております。

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