スタートアップに必要な「ミーハー心と戦略」 グルメサイト「Retty」 奥田健太CFO(上)

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 IT・ネットの業界に限らず、若くて元気な起業家達が、「スタートアッパー」として世間 で注目を集めている。この流れを象徴するひとりが、仲暁子氏だ。 ゴールドマン・サックスに入社した後、Facebook Japanに初期メンバーとして参加。その後、Facebookを活用したソーシャルリクルー ティングサービス「Wantedly」を展開。大企業→スタートアップとキャリアを進めた仲氏が注目のスタートアッパーと対談するのが本連載。彼らはどの ような価値観を持って、起業へと踏み切ったのだろうか。知られていないホンネを探る。
 6人目は実名型のグルメサービス「Retty」を運営するRetty株式会社でCFO(最高財務責任者)を務める奥田健太さん。Wantedlyを通じてRettyの代表とランチをしたことがきっかけで、奥田さんは、5年半勤めた三菱商事から今年の7月に転職。まさに「大企業よりスタートアップ」を地で行く。「13歳でクビになった」という“ある経験”から積み上げられたキャリア観は、転職や新しい道に進むことにモヤモヤしている人たちの後押しになることだろう。

: Wantedlyを使って大企業からスタートアップに転職した方ということで、今日はまさに連載のテーマにぴったりです。「Retty」のサービス内容と、どんなお仕事をされているのか、簡単にご紹介いただけますか?

奥田:「Retty」は、実名性でグルメな人が行ったお店を探すことができる、グルメサイトサービスです。今までは、お店が出している情報や、匿名性の情報が多かったのですが、「Retty」の場合は、紹介している人の顔が見えるので、信頼性の高い情報を得ることができるサービスだと思います。「この人が紹介するお店なら全部いい」という見方もできますし、ほかにも、広告代理店の営業マンが接待に使っているレストランであるとか、イケメンがデートによく行くお店であるとか、参考にしたい状況からも、探すことができるということが新しいところでしょうか。

僕はそこでCFO(最高財務責任者)として、事業戦略(特にファイナンスと人事戦略)を代表と一緒に考えていく役割を担っています。転職したのは、今年の7月です。それまでは三菱商事にいまして、5年半、リスクマネジメント部というところにいました。商社の中では少し特殊な部署で、全社の経営企画に近い位置づけにありまして、全社としてある一定以上の規模の投資をする際の投資のルール策定や、事業部の個別の投資に関しても、現場がよい判断をできるように、リスクとリターンについて定量的な分析を提供する、といったような仕事をしていました。

:少しさかのぼって聞いていきたいのですが、大学時代からかなり商社に行きたいというあこがれはあったのですか?

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