トランプ政権の威力をあなどってはいけない

「よいトランプ、悪いトランプ」を考える

11月10日トランプ次期大統領はペンス次期副大統領(右端)、メラニア夫人とともに議会を訪れ、ポール・ライアン下院議長(中央右)ら共和党主流派幹部と関係修復を図った(写真:AP/アフロ)

米国の大統領選挙は、2段階のサプライズとなった。事前の予想を裏切るドナルド・トランプ氏の勝利に続いたのは、これも事前の予想を裏切る市場の好意的な反応だった。

にわかに高まるトランプ政権への期待は、一時の熱狂に終わる運命なのだろうか。トランプ政権の威力を、冷静に見極める必要がありそうだ。

2日続いたサプライズ

世紀のサプライズは、11月8日の投票日だけではなかった。「トランプ勝利はリスク・オフの株安」という事前の予想を裏切り、翌日の米国市場は大幅な株高となった。まずは大幅株安で終えた日本市場からの流れは遮断され、そもそものサプライズの根源である米国から、連日のサプライズが生まれた。

こうした市場の反応には、「根拠なき熱狂」と言いたくなる面もある。
市場が勝利を好感した理由の一つには、トランプ氏の勝利演説があげられている。選挙戦でみられた過激な言動は影をひそめ、トランプ氏は「すべての米国民の大統領になる」と約束してみせた。「過激な言動は選挙向け。大統領になれば、ビジネスの経験を活かしたスタイルに変わるはずだ」。国内経済を重視する姿勢への評価と共に、そんな安心感が広がった。

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しかし、冷静に選挙戦を振り返ってみれば、トランプ氏の演説が高い評価を受けたことは初めてではない。選挙期間中にも、スタッフのアドバイスを受け入れて、「大統領候補らしい」演説が行われた例は何度もある。

問題は、そうした「よいトランプ」が続かなかったことだ。高評価の演説が定着したと思った矢先に、いきなり不規則発言が戻ってくる。そんなサイクルが繰り返され、最後まで「悪いトランプ」は消えなかった。

選挙が終わりさえすれば、今度こそ「悪いトランプ」が消えると確信するだけの材料は、まだ揃っていないと言わざるを得ない。

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