リクルート、「19歳・雪山ブーム」の仕掛人

”スタートアップ屋”の、すさまじい開拓力

紙媒体の全盛期だった当時、リクルートの紙媒体では見開き2ページで数百万円、1ページ数十万円の広告を売っていた。ところが、当時の「じゃらんnet」では2名1室の宿泊予約の手数料8%が限度。1万円の宿泊予約が取れても、利益はほんの800円程度。

「小銭レベルのビジネスだから、“チャリンチャリン・ビジネス”とまで言われていましたね(笑)」

そんな中、加藤は「じゃらんnet」において新たな試みに挑戦した。当時はほとんどなかった、利用者の口コミの掲載である。

「女将の愛想が悪かった」「水回りが汚れていた」などというネガティブな口コミの掲載に、宿泊施設側は戸惑った。旅行専門誌『じゃらん』に広告を掲載していた宿泊施設から、「どうしてくれる」「広告の掲載をやめるぞ」というクレームが相次いだ。

当然、社内でも「“チャリンチャリン・ビジネス”のせいで、稼ぎ頭の紙媒体が脅かされてしまうのはどうなのか」との声が殺到した。

しかし、加藤は口コミが今後、必ず支持されるという確信をもっていた。行ってみて初めて、”当たり外れ”がわかる宿泊情報ではなく、より役に立つ生の声が必要とされているのだと。

「口コミを外さないと、『じゃらん』本誌との数百万円の年間取り引きをやめる」という顧客も出てきたが、当時の上司、役員や事業部長が頑として折れなかったことも大きかった、と加藤は振り返る。

「顧客の顔色をうかがってばかりの広告屋でも、最終的には消費者に支持されないとダメだ、という確信を得ることにつながりましたね」

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