フジテレビの母が、現場職を続けられた理由 「がむしゃらに働く」を支える、”味方”を増やすには

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フジテレビでは数少ない“ママ・ディレクター”。それが、平日朝8時から9時50分放送の「とくダネ!」でディレクター職を務める藤村美里さんだ。

藤村さんが所属する情報制作局は、「めざましテレビ」「とくダネ!」「ノンストップ!」など、1日、約9時間半放映される情報番組を制作する部署だ。この部署のディレクターのほとんどが契約社員、かつ男性という中で、藤村さんは極めてまれな存在だ。

なぜ、ディレクター職に子を持つ女性が少ないのか? その疑問は、藤村さんの話を聞くと、あっという間に解けてしまう。忙しすぎるのだ。

藤村さんは、「とくダネ!」の後半部分の特集企画の制作を担当する。3週に一度ほどのペースで担当する、放送時間約15分間の企画の制作に全責任を負っている。

オンエア前日になると、24時間以上の徹夜勤務が待ち受ける。

「企画を出し、取材を重ね、編集作業をしながら、原稿を書く。放送される5分前まで、映像をつないでいることもあります」

無事、映像がオンエアされ、反省会を終えたら、やっと解放だ。聞いているだけで、ドッと汗が出る。

神経を使う、VTRの制作

海外や地方への出張取材も多い。「東日本大震災の後の半年は、週半分は福島に行っていた」というほどだ。

さらに、ディレクターという仕事が困難なのは、自分1人の働きではどうにもならないこと。チームワークの上に成り立つ仕事は神経を使う。

「リサーチやアポ入れなどを担当するアシスタント・ディレクター、現地を取材レポートするリポーター、カメラマン、音声、編集マン、音響効果、ナレーター、CG担当など、7~8人のチームで動きます。それぞれに『この画を撮ってほしい』とか『ここに音楽を入れてほしい』などイメージを伝え、全員でVTRを作り上げていきます」

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