リクルート、「19歳・雪山ブーム」の仕掛人

”スタートアップ屋”の、すさまじい開拓力

出産後の思い切ったキャリアチェンジ

実は加藤は、やる価値があると思える仕事でなければ、本気が出ないタイプである。じゃらんネットの次に異動した部署では、ネットならではの価値が提供できると思えず、半年もたたずに希望異動制度に手を上げて“脱出”。

そして移ったのが、無料クーポンマガジン『ホットペッパー』のネット版の立ち上げメンバー。ところが2年ほどでその事業が軌道に乗ると、またしても意欲が下がっていくのを感じた。

「私は、何かをゼロから立ち上げるのが好きなんですね。これまでのスキルで、ある程度の成果が見込める仕事は、“楽をしている”感じがしてしまうんです」

そんな加藤に、意外な転機をもたらしたのは、第1子の出産だった。

「ネットビジネスは、“打ち手”の成果が、すぐ数値で表れるのが面白かった。ところが子育ては20年単位のプロジェクト。それまでとはまったく別の尺度で社会を見るようになり、時間軸も大きく変わったのです」

たとえ何年、何十年かかっても、社会によりよい影響をもたらす仕事に取りかかりたい。そう思った加藤が偶然目にしたのが、社内で始まったばかりの「チャレンジポスト」の募集。育児や介護などで時間に制約のある人が、時短や在宅勤務の制度を使いながら、フレキシブルに仕事ができるというものだ。

その募集で見つけたのが、「じゃらんリサーチセンター・研究員」として、地域活性・街づくりをするという現在のポスト。これまでのネットのスキルは直接役に立たず、すぐには結果の出ない、5年、10年スパンの仕事だ。しかし、加藤は、思い切ったキャリアチェンジに踏み出す。

在宅勤務OKは、大きな支えになったという。

「『あなたを信頼して、成果で判断します』という会社からのメッセージだと解釈したのです。現実的には、在宅勤務は週1回できるかどうかという状況ですが、いまでもそんな公式の約束を、とても心強く感じています」

その3年後、2度目の産休に入ったが、すでに仕事が軌道に乗って”仕事全開モード”だった加藤は、出産からわずか4カ月で職場復帰した。

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