ダメな会社ほど社員教育におカネを使わない 30年連続増収の社長が明かす人材活用術
自分の成長を感じられることほど、うれしいものはありません。社員教育を受けて、仕事のなかで自分が伸びたことを実感できると、社員は、成長の機会がある環境、すなわち職場に対して満足感を持つようになります。そして、それはお客様満足につながり、お客様からのポジティブな反応が、さらに自分の職場や仕事に対する誇りにつながっていきます。ひいては、それが業界自体の活性化にもつながっていくでしょう。
「価値観をそろえる」は怖いこと?
私たちの会社はさまざまな教育プログラムを用意していますが、割合としては「スキル系」(テニスのコーチング技術)の教育が3割、方針や価値観を共有するための「マインド系」(人としてのあり方)の教育が7割です。
「マインド系」の教育が多いのには理由があります。社長と社員の価値観がバラバラで、各自が好き勝手に振る舞っていると、業績は決してよくなりません。社長と幹部、あるいは、幹部と社員の価値観がそろっていると、「同じ優先順位で行動する」ことができるため、急な環境の変化にもすぐに対応することができます。おのずと業績もよくなります。
「価値観をそろえる」と言うと、抵抗を覚える人もいるかもしれません。しばしば誤解されるのですが、価値観をそろえるというのは、その人の人格を改造することでも、洗脳することでもありません。仕事をするうえで何に重きを置くかという、会社の方針・価値観を定め、それを共有するだけのことであり、そのための教育です。
私自身、さまざまな外部研修に参加していますが、参加している経営者を見ていると、
は伸びているように感じます。
一方で、社員教育は「すぐには成果が出ない」ので、待ちきれずに途中であきらめてしまう社長もいます。そのような会社は、業績が落ちている気がします。「一度出るだけで、社員が劇的に変わる」といったセミナーはありません。会社の中でいちばん勉強をしている私ですら、気づきと学びを腹落ちさせるには時間がかかっています。
社員教育には時間も手間も、そしておカネも必要です。短期的には社員から煙たがられるかもしれませんが、社員教育の手間やコストを惜しむ会社の未来は明るくありません。
ログインはこちら