金融政策や財政政策は根本問題を解決しない

対症療法でむやみに薬を飲むべきではない

3月の自由民主党大会では強気の姿勢をアピールした安倍首相。だが、アベノミクスは正念場(撮影:尾形文繁)

4月14-15日にワシントンで開催されたG20(20カ国財務相・中央銀行総裁会議)の声明は、前回2月末の上海での会議に続いて「金融政策のみでは均衡ある成長に繋がらない」と金融政策の限界に言及した。財政政策の活用については、「経済成長、雇用創出及び信認を強化するため機動的に財政政策を実施する」と、前回よりもう一歩踏み込んだ表現となっており、5月に日本で開催されるG7サミットでは財政政策による景気刺激が焦点になりそうだ。

リーマンショック後、先進諸国ではそれ以前には実施すべきではないと考えられていた「非伝統的」と呼ばれる大胆な金融緩和政策を採用してきた。FRB(米国連邦準備制度理事会)は2008年11月~2010年6月のQE1(量的緩和第一弾)、2010年11月~2011年6月のQE2、2012年9月~2014年10月のQE3と、3次にわたって大規模な量的緩和政策を実施した。

ECB(欧州中央銀行)は、2014年6月にマイナス金利を導入した。この影響でユーロを採用していないスイス、スウェーデン、デンマークは、ユーロ圏からの大量の資金流入に見舞われ、資本の流入を抑制するためにマイナス金利政策に追随することとなった。

大規模で非伝統的な金融政策の効果は通貨安のみ

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日本では1990年代に入ってから金融緩和が行われてきたが、不十分だという論調が強まり、日本銀行は1999~2000年にゼロ金利政策を実施し、2003~2006年には量的緩和政策を実施した。さらに第2次安倍政権のもとで2013年4月に誕生した黒田東彦総裁率いる日銀は、量的・質的緩和を導入、「異次元」ともいわれる大胆な緩和に踏み切った。そして、今年1月にはマイナス金利政策を付け加えた。

このように大規模な金融緩和を行ってきたにもかかわらず、先進諸国の経済は低迷が続いている。日本も欧州も低迷を脱することはできておらず、米国も昨年末にようやく利上げに辿り着いたものの経済の回復は力強さに欠け、金融政策の正常化には予想よりはるかに長期間を要しそうだ。

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