ホンダ「レジェンド」レベル3運転は何がスゴいか

高速道路で乗ってわかった自動化技術の実力

レベル3稼働時のディスプレイ表示(写真:ホンダ)

前述したA/B/Cがフリーになるとドライバーは運転操作以外のものに傾倒しがち。筆者は、A/B/Cフリー下で法的に許される映画鑑賞が危険なのではと考えていたが、レベル3を実際の運転環境で体感してみると気をつけるべき状況は、ストーリー性のある映像に没頭してしまうだけではなかった。それは同乗者との会話だ。

運転操作と安全確認から解放されると、同乗者との会話に熱中してしまうことがある。まさに、試乗中の筆者がそうであった。会話明瞭度に優れるレジェンドをもってしても、同乗者との会話が盛り上がってくると自ずと、互いに声が大きくなるからだ。

先ほど述べたように、自動化レベルが下がる=手動運転に近づいたことを示すチャイム「ピン↗ポン↘」だが、同乗者との会話に熱が入った場合、残念ながら筆者の耳にはほとんど入ってこなかった。

ちなみにHonda SENSING Eliteの場合、条件が整い状況が許せば④自動運転モードはトンネル内でも稼働するのだが、今回の試乗中、チャイム「ピン↗ポン↘」を聞き逃してしまったのは、外部騒音が増えるトンネル内が多かった。

自動運転モードでアクセル操作を意図的に行うと?

話をレベル3稼働中のドライバーによるオーバーライドに戻す。④自動運転モード稼働中でABCフリー状態時に、ドライバーが意図的にアクセル操作を行うとどうなるのか。

まず、アクセル操作は受け付けられ、踏み込み量に応じて自然な加速を示す。これは通常のACC機能に対するオーバーライドと同じ反応だ。しかしシステムはステアリングを握ることを要求し、同時に②ハンズオンモードへとモードとしては2段階下がることから、こちらの自動化レベルも2へと1段階下がる。

つまりHonda SENSING Eliteはドライバーの意図的なオーバーライドをすべて優先する(アクセルペダルを踏んだ瞬間に受け付ける)代わりに、システムが提供する制御ランクを下げることで、いわゆる漫然運転を抑制しているのだ。

次に、システムからの突発的なTOR、即ち「速やかに運転操作をしてください!」という車両からの緊急性の高いメッセージを受け取るドライバーはなにを感じるのか? 

自動化レベル3技術の実装には、システム(自動車メーカー)側と利用者(ドライバー)側にそれぞれ守るべき事項が必須条件として織り込まれていてTORはその一つであり、最重要事項だ。

つまりTORを確実に発報することが自動車メーカー側の必須条件であり、その発報を受け確実な危険回避や運転動作を行うことがドライバー側の必須条件となる。

そして両者の連携プレーによってはじめて「自動運転車の安全技術ガイドライン」が定めるところの、「合理的に予見される防止可能な事故が生じないこと」が理論形成される。危険を遠ざけるには、やはり人と機械の協調が要になるのだ。

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