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秒単位の短縮で実現「新幹線のぞみ12本ダイヤ」 清掃時間を短縮、東京駅ホームには秘密兵器

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現在の東海道新幹線は主力車両N700Aを中心に運行されているが、走行性能や東海道新幹線内の最高時速がわずかながら劣る700系も定期列車での運行は終えたものの臨時列車ではまだ運行中。高速でカーブを曲がることができる車体傾斜装置も700系には搭載されていないため、N700Aの性能を元に制作されたダイヤには700系での運行は不可能で、ダイヤを均一化することが不可能だった。つまり、両者の性能差が、現状以上の増発がかなわなかった理由の1つだ。

しかし、2020年3月8日に東海道新幹線から700系が引退し、すべてN700Aに統一される。同じのぞみでも列車によって、東京―新大阪間の所要時間が2時間22分~2時間37分と大きくばらつきがある現状から、全列車を2時間30分以内に収めることができる。さらにその後は新型のN700Sも登場する。車両の違いによる性能差がなくなることで、本数を2本増やせるのではないかという機運が生じた。

新ダイヤの実現は車両の性能によるものだけではない。東京駅での折り返し時間を短くすることが非常に重要な要素となる。

中でも車内清掃の時間短縮は必須条件だった。車内清掃を担う新幹線メンテナンス東海(SMT)は現在でも列車が到着してからおよそ12分で清掃を済ませ、車内に新たな乗客を迎えている。スタッフが乗車するのは乗客全員が降車してからなので、実際の作業時間は12分よりも短い。これまで、車内清掃の遅れで列車遅延が発生したことは一度もないというプロ集団だ。

他社にはシートが自動で向きを変えるタイプの列車もあるが、東海道新幹線の車両は伝統としてスタッフがシートの向きを1列ずつ転換。また、「モタレ」と呼ばれる枕カバーも1323席すべて交換しているため、作業内容は多岐にわたる。

清掃時間2分短縮に大変な苦労

「プロジェクトが始まった約2年前に本社に呼ばれました」とSMTの中島美津代さんと廣瀬明奈さんが当時を振り返る。のぞみ12本ダイヤ実現のためには、清掃時間を2分短縮し10分にする必要があった。

当初は何となく話を聞いていたが、時間短縮のためにやらなければならないことを考えているうちに事の重大さに気付いた。スタッフの人数はそのままで約2分の短縮、しかも列車の本数は2本増える。もちろんクオリティの低下は厳禁。時間を短縮するからといって、清掃箇所を減らすわけにはいかない。

スタッフたちが知恵を絞り、拭き掃除と掃き掃除を同時に行うことができる特製の掃除用品を開発する、車内の無駄な行き来を減らす、N700Aになって汚れがつきにくくなったトイレ清掃については手順を見直すといったさまざまな対策を講じて作業時間の短縮に成功した。2019年10月からすでに10分間清掃を行っており、本番までの準備に余念がない。

【写真】「のぞみ12本ダイヤ」実現の舞台裏

  • 東京駅に並ぶJR東海の新幹線 東京駅に並ぶJR東海の新幹線
    (筆者撮影)
  • JR東海の辻村厚氏。チームプレーの「司令塔」だ JR東海の辻村厚氏。チームプレーの「司令塔」だ
    (筆者撮影)
  • 東京にある新幹線総合指令所 東京にある新幹線総合指令所
    (写真:JR東海)
  • 清掃スタッフの廣瀬さん(左)と中島さん(右) 清掃スタッフの廣瀬さん(左)と中島さん(右)
    (筆者撮影)
  • 荷物棚に忘れ物がないか、鏡でチェック 荷物棚に忘れ物がないか、鏡でチェック
    (写真:JR東海)
  • 作業を工夫し清掃時間を短縮 作業を工夫し清掃時間を短縮
    (写真:JR東海)
  • 停止操作アシスト機能で運転士の負担を軽減 停止操作アシスト機能で運転士の負担を軽減
    (筆者撮影)
  • 緑色に光る箇所に開通予告表示灯を新設 緑色に光る箇所に開通予告表示灯を新設
    (筆者撮影)
  • 電力設備の改良も不可欠 電力設備の改良も不可欠
    (写真:JR東海)
  • 電力補償装置 電力補償装置
    (写真:JR東海)
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  • 東京駅に並ぶJR東海の新幹線
  • JR東海の辻村厚氏。チームプレーの「司令塔」だ
  • 東京にある新幹線総合指令所
  • 清掃スタッフの廣瀬さん(左)と中島さん(右)
  • 荷物棚に忘れ物がないか、鏡でチェック
  • 作業を工夫し清掃時間を短縮
  • 停止操作アシスト機能で運転士の負担を軽減
  • 緑色に光る箇所に開通予告表示灯を新設
  • 電力設備の改良も不可欠
  • 電力補償装置

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【「数秒間」の積み重ね】

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