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「日本式」ジャカルタ地下鉄、開業半年の通信簿 定時運行率ほぼ100%、停電時も迅速対応

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  • 高木 聡 アジアン鉄道ライター
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MRTJ東西線事業について、インドネシア側はPPP(官民パートナーシップ)方式を希望しており、そもそも日本が支援するかも定かではない。この計画には中国が深い関心を寄せており、独自に調査に入っているともいわれている。一般的には路線を拡大する際、先に開業した路線の信号通信関連の分野を押さえていると互換性などの点で有利だが、東西線は南北線とは独立した路線になるため、ゼロからのスタートとなる。

LRT Jakartaに導入された韓国現代ロテム製車両。同国の金浦都市鉄道向け車両をほぼそのまま導入しているため、受注後1年半で納入された(筆者撮影)

ジャカルタ北東部では、韓国のバックアップのもと建設されたLRT Jakartaが約1年に渡り暫定的営業を続けており、12月1日に本開業となる予定だ。

2020年の部分開業を目指すといわれている郊外型のLRT Jabodebekの第1編成。主にスペインCAF製の電装品を採用し、国営車両製造会社INKAが製造した(筆者撮影)

さらに、ジャカルタ中心部と隣接するデポック市・ブカシ市を結ぶ、国営企業連合が建設を進めるLRT Jabodebekも、車両がINKA(国営車両製造)から到着し、先行区間がまもなく開業する。

これらの路線は、いずれも着工から開業までが非常に短いのが売りであり、早速インドネシア政府関係者がMRTJと比較した発言をしている。古くから続くジャカルタの都市鉄道支援は、もはや日本の専売特許ではなくなった。

「日本の鉄道」今後も広められるか

それでも、世界で初めて100%日本の技術とシステムをベースとした都市鉄道がジャカルタに開業し、半年間にわたって極めて安定した運行を続けているのは事実だ。まずは、日本の鉄道のスタンダードを海外展開した実例としてその実績を認めてもらい、インドネシアに、そして世界に広めなければならない。

だからこそ、わずか16kmのMRTJ南北線であるが、今後のジャカルタにおける鉄道整備のはじめの一歩としての意義は大きい。数を売り、そしてメンテナンスで稼ぐ。世界の鉄道ビジネスの基本である。今の仕組みでそれが実行できるか。最前線に立つ鉄道マンの努力を無駄にしないためにも、引き続きJICAをはじめとする取りまとめ機関には、しっかりとした舵取りが期待されるところだ。

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