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「道の駅」来場55万人!新幹線で変わる木古内 人口減少や高齢化が進む地域の可能性

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  • 櫛引 素夫 青森大学教授、地域ジャーナリスト、専門地域調査士

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北海道新幹線開業から初の冬を迎えた木古内駅(筆者撮影)

1月半ば、開業から初めての冬を迎えた北海道新幹線の沿線を訪ねた。夏の終わり以降、諸事情があって身動きが取れず、年が改まった後「数年に一度の最強寒波」の襲来中に、道南の「冬の素顔」を何とか垣間見ることができた。懸案となっていた冬の閑散期の利用については、まだデータがまとまっていないが、人口減少と高齢化が進む地域ならではの「生きることの幸せ」「政策のパッケージ化」「マンパワー問題」といったポイントが浮き彫りになりつつある。厳寒期の道南であらためて見えてきた、新幹線対策の課題と可能性を報告しよう。

祭りでにぎわう厳寒の街

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1月13日朝、北海道新幹線「はやぶさ1号」でひさびさに津軽海峡を越えた。東京始発の第一便列車は、多くの乗客が新青森駅で下車し、北海道新幹線区間は空席がやや目立った。奥津軽いまべつ駅停車を経て、木古内駅で降り立ったのは数人。改札をくぐると、町職員が乗降客数をカウントしていた。JR北海道から各駅の乗降客数がほとんど公表されない中で、町独自のデータを積み上げるべく、夏・冬それぞれについて平日・週末の各2日ずつ、調査を重ねているのだという。

平日の昼前ではあったが、駅前の「道の駅みそぎの郷きこない」は活気が漂い、特に報道陣の姿が目立った。この日はちょうどオープンから1周年。そして前日の1月12日、来場者が55万人に達したばかりだった。さらに、道の駅の名にもうたわれている、同町最大の行事「寒中みそぎ祭り」が13日夜に始まるタイミングで、道の駅だけでなく、町全体をざわめきが覆っていた。

「1年で55万人もの方が訪れてくださった。ありがたい限りです。とはいえ、施設としては小さな空間なので、常に工夫を重ねていかないと飽きられてしまう」。表情を引き締めながら語るのは観光コンシェルジュの浅見尚資さん。同僚のコンシェルジュ、津山睦さんとともに、ひっきりなしにカウンターを訪れる観光客への対応に追われていた。昨年12月にはATMが設置され、一般の銀行カードと銀聯カード、1月下旬からは台湾金融カードが使えるようになったという。

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【首都圏へ地元食材のパン屋が出店】

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