だが、積み重ねてきた年月や作品の数だけでは、満たされない思いもある。
「10年間活動を続けてこられたことは、自分自身を褒めてあげたいです。『よくここまで来られたな』『続けてきてよかったな』という気持ちはあります。でも、その一方で、武道館公演のような大きな出来事以外に、形として残せた実績はどうだろう、とも思うんです」
その視線の先には、もう一つの目標がある。
「365日の紙飛行機」のような曲を、自分の手で
「多くの人に愛される曲を、今度はソロ名義で、自分自身が生み出したいという思いがあります」
山本が“曲の持つ力”を実感しているのが、自身がセンターを務めたAKB48の「365日の紙飛行機」だ。
「今でも仕事先で『365日の紙飛行機』を求めていただくことは多いですし、海外で歌ったときにも、現地の方々から大きな反応をいただくことがあります。そういう経験をすると、楽曲そのものが持っている知名度や力を感じますね」
グループで歌ってきた曲が、年月を経ても人々の記憶に残っている。
一方、この10年で音楽を取り巻く環境は大きく変わった。ストリーミングの再生回数やSNSの反応など、ヒットを測る物差しも多様になっている。
では、山本にとっての「ヒット曲」とは?
「SNSをよく見る人たちに広がる曲でもいいし、テレビを見る人たちに届く曲でもいい。ラジオをよく聴く人たちに愛される曲でもいいと思います。必ずしもすべての人に知られている必要はなくて、ある層に強く刺さる曲でもいい」
だが、そこには譲れない条件がある。
「『世間に受けそうな曲を作ろう』ということではないんです。すごくヒットしそうな曲だったとしても、それが自分の本心とは違うものだったら、たとえ周囲から高く評価されたとしても、自分自身は腑に落ちないと思うんですよね。
そこは譲れない部分です。自分のこだわりをどこまで大切にしながら、多くの人に届く作品を生み出せるのか。その両立を考えています」


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