ここから先は、まさに中学入試問題の算数のような計算が必要になります。
第1志望をA中学とします。第2志望群にはB中学、C中学、D中学、E中学、F中学の5校があるとします。それぞれの合格可能性が、A中学で20%、B中学で30%、Cで50%、Dで50%、Eで80%、Fで80%だったとしましょう。
仮に、A中学とB中学とC中学の3校のみを受けた場合、最低どこか1校には合格できる可能性が何%になるか、わかりますか? 現役の中学受験生ならわかるはずです。
A中学に不合格になる確率は80%、B中学に不合格になる確率は70%、C中学に不合格になる確率は50%。ということは、0.8×0.7×0.5=0.28で、28%の確率で全落ちを食らう計算です。逆にいうと、約7割の確率でどこかには受かる。
同様に、A中学からF中学まで6校ぜんぶを受けた場合の全落ちの確率は、0.8×0.7×0.5×0.5×0.2×0.2=0.0056で、1%を切ります。つまり99%以上の確率でどこかには受かる計算です。
入試日程と偏差値一覧を見比べながら、さまざまな併願パターンを考え、そのたびにこの計算をくり返す。それが併願戦略の基本です。偏差値は、そのためにある。
どこかには受かる可能性を、80%で十分とするのか、90%でよしとするのか、限りなく100%に近づけておくのか、冷静に決めなければいけません。
どこまで深追いするかは難しい判断
入試を複数回設定している学校のなかには、ぜんぶの入試を受けた生徒を優遇すると宣言している場合があります。どうしてもその学校に入りたいと思っている受験生にはありがたい制度ですが、そこで一度冷静になる必要があります。
模試では合格確率80%の判定が出ていたのに、入試本番で調子が出せず、立て続けにギリギリで不合格になってしまうことが12歳の受験では起こり得ます。そういう子を救済するのがこの制度の目的であって、実力は足りないけれども入学を熱望する受験生を合格させる制度ではないことは冷静に受け止めなければいけないのです。
受験勉強をがんばるモチベーションにもなるので第1志望は偏差値を気にせずに強気にチャレンジすべきだというのが中学受験のセオリーではありますが、その学校が複数回の入試を設定している場合、どこまで深追いするかは難しい判断となります。


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