その後21日間の間に、所属政党を問わず61名以上の議員から書面で支持(署名)を得た人物がいれば、その人物が大統領から最後の組閣権(14日間)を得ることになる(これで組閣できた人物は1人もいない)。これも失敗に終わるとクネセットは自動解散となり、解散から90日以内に再選挙を行うことになる。
ネタニヤフが組閣に成功したとしたら、26年12月~27年1月に新政権発足というシナリオが考えられる。誰も組閣に成功しないケースでは、27年5月頃に再選挙となる。
新政権発足へのシナリオ
現時点でどの可能性が最も高いのか。ネタニヤフ陣営は53議席を獲得したので、過半数まで残り8議席。アラブ系政党がネタニヤフ陣営に加わることはまず考えられないので、ネタニヤフはいかに野党陣営を取り崩して自陣に引き込むか、手腕が試されることになる。
では、組閣権が次のアイゼンコットに移った場合はどうか。「反ネタニヤフ」という共通項でアラブ政党を抱き込む可能性は考えられる。実際、前述のベネット政権の際は反ネタニヤフの1点でまとまったブロックを形成して政権を奪った。
しかし、アイゼンコットは選挙中「いかなるアラブ系政党とも連立は組まない」と明言している。イスラエル国防軍の元参謀総長のアイゼンコットは、安全保障に関しては強硬な姿勢を崩していない。
アラブ系政党について、彼らがハマスをテロ組織と呼ぶことを拒否していると指摘し、価値観を共有することはできないと述べてきた。さらにアイゼンコットは22年に政治家に転身したばかりであり、どのように過半数を獲得するのか、その手腕は未知数である。
最後に残った可能性は、27年春頃の再選挙だ。この可能性が最も高い。実際、19年から22年にかけていずれも組閣が不成立となり、総選挙が5回実施されたことがある。けれどもイスラエルでは、過去に何度かウルトラCが繰り出されたことがあった。
近年では前述の21年のベネット政権である。17議席を獲得したイェシュ・アティド党首ラピッドが、6議席のヤミーナ党首ベネットを説き伏せて首相に仕立て上げた。そしてアラブ系のラアム党もここに加わった。
入植推進派の極右から、環境主義の左派、そしてイスラム主義のアラブ系まで、通常なら議論がまったくかみ合わない8つの政党が「反ネタニヤフ」という1点で奇跡的に連立を組んだ。首相はローテーション制で、最初の1年をベネットが務めて次はラピッドの予定だったが1年で瓦解した。


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