INDEX
フランス首都パリ近郊のシャルル・ドゴール空港。黒く洗練された高級車ポルシェ・カイエンが滑走路脇を静かに走り、エールフランスのボーイング777へ向かう特別な乗客を送り届ける。
航空会社各社が超富裕層の顧客獲得に注ぐ努力が見て取れる光景だ。背景にあるのは燃料価格の高騰だ。燃料費の上昇は航空会社の利益率を圧迫し、運賃値上げによって価格に敏感なエコノミークラス利用者の需要が鈍化しているため、各社はより利益率の高いプレミアム顧客の取り込みを重視するようになっている。
エールフランスは業界でも最も高額な部類に入るというファーストクラス「ラ・プルミエール」の強化に向け、10億ユーロ(1760億円)を投資してサービスの刷新を進めている。ラ・プルミエールの利用客は空港で専用エントランスを利用できるほか、人目につかない専用保安検査を受けられる。搭乗前にはスパを備えたラウンジで、キャビアやシャンパンを楽しみながら出発を待つ。高級車で移動して搭乗すれば、機内ではプライベートスイートで過ごしてデザイナーズパジャマを着用し、ミシュランの星付きシェフが監修した料理を味わう。
エールフランスの顧客担当エグゼクティブ・バイスプレジデント、ファビアン・ペルー氏はロイターに「より高級志向のサービスへ進化させたかった。この新しい客室の開発には過去5年を費やし、顧客の期待を最大限満たすため細部まで徹底的にこだわった。プライベートジェット機のような空間を実現したかった」と語った。
同氏によると、エールフランスはラウンジや客室、機内Wi-Fiの改善に5年間で10億ユーロを投じるほか、機材更新費用として年間約10億ユーロを支出する。
この記事は会員限定です
残り 1567文字

