なかでも大きいのは、NHKの主要視聴者層である中高年層にまでコネクテッドTV(ネットに接続したテレビ)の普及が進んでいること。テレビ視聴は中高年層の日常であり、趣味の人が多いことは変わっていないものの、「テレビ画面で見ているのは放送されている番組ではなく配信コンテンツ」という機会が増えています。
例えば「今年3月にNetflixで独占配信されたWBCを見るためにコネクテッドTVに変えた」という往年の野球ファンは多く、テレビ画面で配信コンテンツを見ることの簡単さと便利さに気付きました。
「TVerを使えばこれまで見ていた番組を好きな時間に見られるし、録画の手間もない」「YouTubeも見てみたら面白いものがあった」「NetflixやAmazon Prime Videoなどの有料配信は見応えがありそうだ」という人が増えているのです。
これまでNHKは中高年層を押さえておくのはもちろんのこと、若年層にも見てもらえる番組を作っていくことを考えていましたが、配信コンテンツの普及が予想を上回るペースで進んでいることに危機感を覚えている様子がうかがえます。
「使い勝手の悪さ」で見てもらえない切実さ
次に「NHKの孤立」も、公共メディアプラットフォームを掲げるに至った背景の1つ。これまではテレビをつけたらNHKも民放も同列で番組を選んでもらう機会がありましたが、配信ではそれが失われてしまいました。
民放各局のコンテンツを集めたTVerの再生回数は増え続けていますが、NHKの番組は基本的にそこにはなく「NHK ONEに登録し、アプリを開いてもらう」という手間が発生します。コンテンツとしての魅力や質以前にユーザビリティの問題が大きく、以前から「テレビ離れ」というより「NHK離れ」につながりかねない状態が続いていました。


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